2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Mesoscopic neurocircuitry: towards understanding of the functional and structural basis of brain information processing |
Project/Area Number |
23115103
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山中 章弘 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (60323292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 琢磨 生理学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 助教 (70545798)
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Project Period (FY) |
2011-07-21 – 2015-03-31
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Keywords | オレキシン / 光遺伝学 / 運命制御 / 神経活動操作 / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
神経ペプチド「オレキシン」を産生する神経細胞は、視床下部に存在し、そこから脳内のほとんどの領域に軸索を投射している。オレキシン神経の特異的脱落によって、睡眠障害のひとつであるナルコレプシーを発症することから、オレキシンが睡眠覚醒調節において重要な役割を担っている事が示唆されている。本研究では、オレキシン神経細胞特異的に様々な外来遺伝子を発現する遺伝子改変マウスを作成し、その活動を光遺伝学を用いて操作または、運命制御することを試みた。神経活動操作のために、チャネルロドプシン2、アーキロドプシンをオレキシン神経特異的に発現するマウスを作成した。オレキシン神経特異的な活性化によって、覚醒が生じること、またオレキシン神経特異的な抑制によって、覚醒から睡眠に移行することを見いだした。しかしながら、オレキシン神経活動の抑制によって、睡眠覚醒の断片化は見られたものの、脱力発作などのナルコレプシーの症状は認められなかった。そこで、オレキシン神経特異的にジフテリアトキシンA断片を時期特異的に発現する遺伝子改変マウスを作成し、オレキシン神経の運命を制御した。このマウスを用いてオレキシン神経を脱落させると、約85%のオレキシン神経細胞が脱落すると、睡眠覚醒の分断化が生じ、95%のオレキシン神経細胞が脱落すると脱力発作が生じることが分かった。これらのことから、睡眠覚醒の調節においてオレキシン神経細胞がどのように機能して覚醒を維持しているのかが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
光遺伝学を用いてオレキシン神経細胞の活動を活性化と抑制のどちらにも操作可能な遺伝子改変マウスの作成に成功し、その活動操作と行動解析によって、睡眠覚醒における役割について明らかにすることができた。さらに、光遺伝学では、長時間の抑制が難しいことから、神経細胞死を誘導する分子をオレキシン神経細胞特異的に発現させることで運命制御を可能にするマウスを作成した。このマウスを用いて、オレキシン神経細胞数と睡眠覚醒調節の関係について初めて明らかにすることが可能となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
オレキシン神経細胞は睡眠覚醒調節以外の生理機能にも関与している。オレキシン神経活動と運命制御によって、それらの生理機能におけるオレキシン神経細胞の役割について明らかにしていく。特に、動物個体丸ごとで発現する行動を調節する神経回路とその機能を対象として検討を行う。
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Research Products
(31 results)
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[Journal Article] Greatly increased numbers of histamine cells in human narcolepsy with cataplexy2013
Author(s)
John J, Thannickal TC, McGregor R, Ramanathan L, Ohtsu H, Nishino S, Sakai N, Yamanaka A, Stone C, Cornford M, Siegel JM
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Journal Title
Ann Neurol
Volume: 74
Pages: 786-793
DOI
Peer Reviewed
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