2011 Fiscal Year Annual Research Report
メチオニン代謝回路とエピゲノムの共役機構とそのがん化への関与
Project Area | Crosstalk of transcriptional control and energy pathways by hub metabolites |
Project/Area Number |
23116003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
五十嵐 和彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00250738)
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Keywords | 発現制御 / 発生・分化 / プロテオーム / マイクロアレイ / 免疫学 |
Research Abstract |
本年度は、methionine adenosyltransferase II(MATII)について、以下の実験を行った。(1)細胞内局在の制御:MATIIは触媒サブユニットαと機能未知サブユニットβのヘテロオリゴマーとして存在する。これまでの代表者による実験からMATIIは核にも存在することが示されてきたが、その機構については全く不明であった。そこでまず、α、βをそれぞれ単独で培養細胞株NIH3T3で発現させ、その局在を免疫染色により調べた。この実験に用いた抗血清はそれぞれウサギに組み換えタンパク質を免疫することにより新たに独自に調整した。αは主に細胞質に分布したのに対して、βは主に核に分布した。両者を同時に発現すると、αも効率的に核に蓄積した。両者が結合することがαの核内分布に関わることを示すために、split Venusを用いた実験を行った。すなわち、N末側とC末側に分断したVenus断片にそれぞれαあるいはβサブユニットを連結したものを培養細胞にて発現させた。それぞれ単独では全く蛍光が観察されなかったが、同時に発現させた場合、核に強い蛍光シグナルが観察された。これは、αとβが相互作用すること、相互作用したものは核に局在することを示す。以上の結果から、βサブユニットはαサブユニットの核内分布を促進するという調節機能を有することが明らかになった。この他、αサブユニットを形質細胞株で発現し、その複合体を精製、構成因子を高感度質量分析計にて同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
split Venusを用いてMATIIの核局在化の分子機構を解明できた。MATII複合体を形質細胞からきれいに精製することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通りに進める。αとβの相互作用部位をα上で特定し、核局在能を欠くαをデザインすることを最優先で進める。
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Research Products
(6 results)