2013 Fiscal Year Annual Research Report
代謝とクロストークする転写環境形成因子の構造科学的な解明
Project Area | Crosstalk of transcriptional control and energy pathways by hub metabolites |
Project/Area Number |
23116007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 敏之 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30273858)
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Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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Keywords | ビタミンDレセプター / Smad / 核内受容体 / X線結晶解析 |
Research Abstract |
核内レセプターはリガンド依存的に活性が制御される転写因子である。我々はビタミンDレセプター(VDR)に注目し、その活性制御機構を構造科学的に解明することを目的としてリガンドとの複合体構造を決定することを行ってきた。新規パーシャルアゴニストである一連のTTYN化合物との構造解析の結果は論文化することができた(FEBS letters, 2013)。核内レセプターは転写因子であり、通常ジェノミックな機構を示すが、DNA配列に依存しないノンジェノミック機構を示すことが近年知られてきた。VDRはTGF-シグナルに関わるSmadにDNA配列非依存的に結合しその働きを抑制することが明らかになってきた。我々はVDRによるノンジェノミック機構についてコンピューターモデリングの結果を含め論文化した(J.Clin.Invest., 2013) その一方でアンタゴニスト活性を示すDLAM化合物との複合体構造にも取り組んでいる。DLAMはVDRの内在性リガンドである活性型ビタミン(1,25-Dihydroxyvitamin D3)の代謝産物とよく似た構造をとっており、天然基質の代謝産物がどのように認識機構の解明にもつながる。我々はVDRと一連のDLAMとの複合体構造の構造解明に成功した。代謝産物に特徴的なラクトン環の認識を明らかにし、リガンド認識に重要なHis301が構造変化すること(His301が構造変化を起こす)明らかにした。現在論文準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の達成目標の一つであるビタミンD受容体と各種リガンドとの複合体解析に成功し、論文化することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ビタミンDの代謝産物との複合体解析をめざし、精製法を確立し結晶化を目指す予定である。
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Research Products
(4 results)