2013 Fiscal Year Annual Research Report
病態時の脈管のダイナミックスを制御する脂質メディエーターの解析と治療への応用
Project Area | Machineries of bioactive lipids in homeostasis and diseases |
Project/Area Number |
23116102
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
馬嶋 正隆 北里大学, 医学部, 教授 (70181641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 朋恵 北里大学, 医学部, 講師 (20296510)
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Project Period (FY) |
2011-09-12 – 2015-03-31
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Keywords | TPシグナリング / EP3シグナリング / COX-2 / リンパ管新生 / リンパ節転移 / VEGF / SDF1 / dendritic cell |
Research Abstract |
1)TPシグナリングを介するリンパ管新生増強作用;血栓形成、細動脈収縮、気管収縮作用が強いトロンボキサンに強いリンパ管新生増強作用があることを見いだした。C57/Bl6野生型マウスの腹腔内にLPSを隔日に投与すると、横隔膜腹膜面に新生リンパ管が増殖した。この反応はTP受容体ノックアウトマウスで有意に減弱しており、TPシグナリングを介するリンパ管新生増強作用が存在することを明確にできた。リンパ管内皮を培養し、TPアナログで刺激してもMMTアッセイでは増殖が見られず、横隔膜に浸潤してきたマクロファージにTP依存的にリンパ管新生増強作用をもつVEGF-Cの誘導が認められた。培養マクロファージにTPアナログを添加するとVEGF-Cの誘導が認められた。以上のことより、TPシグナリングを介するリンパ管新生増強作用には、マクロファージが重要であることが判明した。 2)EP3シグナリングを介する腫瘍所属リンパ節premetastatic niche形成の増強作用;ルイス肺がん細胞をマトリゲルと混和し、C57/Bl6野生型マウスの左肺実質組織に投与すると、原発巣の腫瘍増殖に伴って約2週間後に縦隔の所属リンパ節に転移巣が形成される。所属リンパ節のsubcapsular regionにCOX-2が腫瘍接種後2日目には誘導がかかり、免染で細胞腫を調べるとCD11cおよびIDO陽性のdendritic cellであった。同細胞からはCOX-2およびEP3依存的にSDF-1、TGFbが分泌されており、前者がCXCR4陽性を示すルイス肺がん細胞の所属リンパ節のsubcapsular regionへの動員、接着に役割を持っていることが判明した。TGFbはsubcapsular regionへの制御性T細胞の動員に役割を持っていた。腫瘍所属リンパ節内にはリンパ管新生の増強が認められ、この反応はCOX-2およびEP3依存性であった。以上のように、COX-2およびEP3が所属リンパ節premetastatic niche形成に役割を持ち、リンパ節転移を制御していることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
TPシグナリングを介するリンパ管新生増強作用は、全くの新治験であり、細胞、分子機序の解明も進んでんでいる。近々に投稿の予定である。さらに、組織、細胞特異的なノックアウトを可能にするfloxマウスの作成にも成功した。加えて、EP3シグナリングを介する腫瘍所属リンパ節premetastatic niche形成の増強作用も明らかにすることが出来た。所属リンパ節のsubcapsular regionにCOX-2が腫瘍接種後2日目には誘導がかかり、免染で細胞腫を調べるとCD11cおよびIDO陽性のdendritic cellであった。同細胞からはCOX-2およびEP3依存的にSDF-1、TGFbが分泌されており、前者がCXCR4陽性を示すルイス肺がん細胞の所属リンパ節のsubcapsular regionへの動員、接着に役割を持っていることが判明した。これらの知見は、新しいものであり、subcapsular regionへの制御性T細胞の動員も制御していた。腫瘍所属リンパ節内にはリンパ管新生の増強が認められ、この反応はCOX-2およびEP3依存性であった。以上のように、COX-2およびEP3が所属リンパ節premetastatic niche形成に役割を持ち、リンパ節転移を制御していることが判明した。これらの成果は、JCIに投稿しrevision中である。
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Strategy for Future Research Activity |
TPシグナリングを介するリンパ管新生増強作用の細胞、分子機序の解明を、組織、細胞特異的なノックアウトを可能にするfloxマウスで進める予定である。加えて、EP3シグナリングを介する腫瘍所属リンパ節premetastatic niche形成の増強作用も明らかにすることが出来き、リンパ節転移の治療標的としての意義を、肺がん以外の他の癌腫でも進める予定である。CD11cおよびIDO陽性のdendritic cellの役割解明、subcapsular regionへ集族する制御性T細胞の役割の解析を進める。CTLの機能調節に役割を持つ可能性、MDSCのリクルートに関与する可能性を検討する。所属リンパ節内リンパ管新生にもEP3シグナリングが役割を持つか否か検討する。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Vascular endothelial growth factor receptor 1 signaling facilitates gastric ulcer healing and angiogenesis through the up regulation of epidermal growth factor expression on VEGFR1+CXCR4+ cells recruited from bone marrow.2014
Author(s)
Sato T., Amano H., Ito Y., Eshima K., Minamino T., Ae T., Katada C., Ohno T., Hosono K., Suzuki T., Shibuya M., Koizumi W., Majima M.
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Journal Title
J Gastroenterol.
Volume: 49
Pages: 455-469
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Leukotriene B4 type-1 receptor signaling promotes liver repair after hepatic ischemia/reperfusion injury through the enhancement of macrophage recruitment.2013
Author(s)
Ohkubo H., Ito Y, Minamino T., Mishima T., Hirata M., Hosono K., Shibuya M., Yokomizo T., Shimizu T., Watanabe M., Majima M.
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Journal Title
FASEB J.
Volume: 27
Pages: 3132-3143
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] NSAID, aspirin delays gastric ulcer healing with reduced accumulation of CXCR4+ VEGFR1+ cells to the ulcer granulation tissues.2013
Author(s)
Sato T., Amano H., Ito Y., Eshima K., Minamino .T, Ae T., Katada C., Ohno T., Hosono K., Suzuki T., Shibuya M., Koizumi W., Majima M.
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Journal Title
Biomed Pharmacother.
Volume: 67
Pages: 607-613
DOI
Peer Reviewed
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