2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Synthetic biology for the comprehension of biomolecular networks |
Project/Area Number |
23119003
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田川 陽一 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (70262079)
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Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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Keywords | 肝組織 / ES細胞 / 肝細胞 / 内皮細胞 |
Research Abstract |
本研究は、分化誘導因子の時空間的に厳密に制御できる支持細胞を作製し、ES細胞やiPS細胞を成熟肝細胞まで分化誘導するシステムを開発し、個体の肝臓に匹敵するin vitro肝臓モデルを構築し、遺伝子回路による合成生物学的手法が社会的貢献できる道筋を示すことが目的である。 ①マウスES細胞から分化誘導して作製した肝細胞と内皮細胞を有した肝組織を用いて、オルニチンによる尿素回路の活性化がアルコールによる肝細胞死を抑制することを見出せた。 ②独自に開発したリアクターシステムによりマウス初代培養肝細胞を高密度で培養し、コラーゲン細線維を有するような肝組織を構築することに成功した。この培養システムは、本研究で当初考えていたマイクロリットルスケールからミリリットルスケールとなり、臨床応用へも期待できると思われる。 ③内皮細胞結合性のヒアルロン酸と肝細胞結合性のガラクトースキトサンを混合したハイブリッドスポンジスキャフォールドを用いることにより、実際の肝組織に近い状態で肝細胞と内皮細胞を共培養する手法の開発に成功し、本研究目的への応用の可能性を示すことができた。 ④肝組織を構築するための非実質細胞の株化:TSプロモーターの下流にSV40T抗原遺伝子を連結させた発現ベクターをマウス肝非実質細胞へ導入し、8つの株化細胞を得た。この中には、脂肪滴を多く有する星細胞様株や内皮細胞様株が含まれている。本研究の支持細胞として使用できることを期待して生化学的な解析をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝組織構築を目的とした3種類の培養システムを確立し、またその応用による生化学的事象を証明することもできた。本プロジェクトの出口としての準備は着実に確立しつつあると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
本プロジェクトの大きな壁は、遺伝子回路設計にある。本領域の研究者との共同研究をさらに進めることにより、ES/iPS細胞から内胚葉への分化と肝前駆細胞から肝細胞への成熟化を制御できる遺伝子発現システムを重点的に進めることが重要であると認識している。
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Research Products
(34 results)