2011 Fiscal Year Annual Research Report
人工遺伝子回路の機能向上のための進化分子工学による生体分子の改良
Project Area | Synthetic biology for the comprehension of biomolecular networks |
Project/Area Number |
23119005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木賀 大介 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (30376587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 丹 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40114855)
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Keywords | 合成生物学 / 進化分子工学 / タンパク質 / RNA |
Research Abstract |
種々の生体分子を試験管内、細胞内に組み合わせることで、人工生体分子ネットワークが構築され、多くの注目を集めている。しかし、天然と異なるネットワークを作成してはいても、ほとんどの構築では天然に見られる生体分子をそのまま用いているのが実情である。人工ネットワークのポテンシャルを最大限に発揮するためには、個々の部品となる生体分子の持つ特性を、人工ネットワークに対して最適化することが重要であり、本研究では、人工遺伝子回路の機能向上のために進化分子工学的手法を用いて生体分子を改良する。開発した分子は他班においても活用される。 今後開発されるプロモーターに先行して開発していたLux-Lacプロモーターを活用した、細胞の多様化をプログラミングできる人工遺伝子回路の論文を公表した。この過程では、プロモーターから得られたパラメーターを用いたシミュレーションが活用されている。結果として、培地を介した細胞間相互作用によって、細胞の取りうる安定状態が変化し、遺伝子回路の持つ特定のパラメーター範囲において、均一であった細胞集団から多様化できることを培養実験によって示すことができた。 また、天然の RNA-蛋白質複合体(RNP)を改変し、進化分子工学的手法により信号伝達経路の制御などに使える新しいRNPモジュール(独立した機能構造単位) の作成を進めている。このモジュールがヒト細胞内で実際に使用可能であるかどうかを検証するために、既に開発されている翻訳制御システムにこれを組み込むことを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体としては順調に研究は進展している。プロモーターの開発については伊庭班との連携を深めている。遺伝子回路のシミュレーションについて、山村班との連携を深めている。進化工学に有用な遺伝暗号の改変や、陶山班との連携が可能な試験管内人工遺伝子回路の研究も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
伊庭班のwebフォーマットを活かしてプロモータ開発を続け、山村班、花井班に情報を提供する。ロンドレーツ班、柘植班が必要とする酵素を改変する。田川班と協力し、哺乳細胞人工遺伝子回路の設計を進める。試験管内人工遺伝子回路の研究や、無細胞タンパク合成系の改変研究を公表する。天然の RNA-蛋白質複合体(RNP)を改変し、進化分子工学的手法により信号伝達経路の制御などに使える新しいRNPモジュール(独立した機能構造単位) を作成を進める。
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