2014 Fiscal Year Annual Research Report
人工遺伝子回路の機能評価のためのマイクロ流体プラットフォームの開発
Project Area | Synthetic biology for the comprehension of biomolecular networks |
Project/Area Number |
23119006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ロンドレーズ ヤニック 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (10548770)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / マイクロ液滴 / マイクロ流体デバイス / 合成生物学 / in vitro 反応ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は,ネットワークの入力成分の濃度をパラメータとし,動的な入力を与えることが可能なマイクロ液滴系のプラットフォームを完成させた.これにより,非線形分子システム(開発済みの双安定性回路)の高解像度の分岐図を得ることができ,低濃度の入力を与えた際に生じるネットワークの振る舞いについて確率論的な視点からの議論を行うことができるようになった(投稿準備中).また,新しい機能と相互作用の線形性を制御するための,酵素分子のネットワークの基礎アーキテクチャに関する研究も実施した(国際会議に投稿中).これは,分解反応経路として働く特別に設計されたDNA分子に対して作用するものである.Swarm robotと分子ネットワークについては,DNAを固定化した多孔質マイクロ粒子とマイクロ流路を用いた系での実装について検討を行ない,粒子間のDNA分子を通じた通信(双安定状態の進行波)を観察することに成功した.
領域内の花井班,田川班には,各班の要求に応じたマイクロ流体デバイスを提供し,共同研究を継続している.木賀班とは,反応効率の高いニッカーゼをDNA-tool boxと液滴デジタルPCRを組み合わせた進化工学的な手法で獲得するためのプラットフォームの開発を行っている.伊庭班とは,in silicoで進化する反応ネットワークを試験管内で実装する際の接続手法を開発に着手し,実装については,我々の反応ネットワークの反応カイネティクスについての予測精度を向上させる必要があることがわかった.すでに開発した反応-拡散マイクロシステムについては,自己触媒反応の特性評価についての知見が得られた.特に,反応ネットワーク中のDNA分子の反応と拡散のレートを制御する手法を開発できた.これは, 生物学的な形態形成にみられる時空間的な反応の制御を議論する上で役立つものと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画研究調書に沿った形で進捗している. 多班との共同研究の成果に関しても,論文化が出来た(伊庭班).
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Strategy for Future Research Activity |
本班は,これまでに,DNA鎖と数種類の酵素からなるツールボックス(DNA-toolbox)を構築し,それをマイクロ液滴内で実現することに成功している.今年度は,領域内の伊庭班とは,これまでの成果であるin silicoで進化する反応ネットワークを試験管内で実装する際の接続手法を改良を引き続き行う.昨年度開発したSwarm robot(基板に固定化されたマイクロビーズとDNA-toolboxを組み合わせた反応系)システムを改良し, collective behavior(群行動)の系を実装することを目指す.木賀班とは,引き続き反応効率のニッカーゼを得るための進化工学的手法と液滴デジタルPCRを組み合わせたマイクロ流体プラットフォームを開発する.花井班,,田川班との共同研究については,引き続き各班の要求に応じて、マイクロ流体デバイスの提供を行ってゆく。
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Research Products
(5 results)