2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Elucidation of neural computation for prediction and decision making: toward better human understanding and applications |
Project/Area Number |
23120002
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 光弘 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30224025)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 友幸 北海道大学, 文学研究科, 教授 (40166723)
下嶋 篤 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (40303341)
金子 守 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 教授 (40114061)
敷島 千鶴 慶應義塾大学, 文学部, 講師 (00572116)
|
Keywords | 意思決定 / 論理推論 / 行動遺伝学 / 図形論理 / 認識論理 / 推論の化学 / ゲーム理論 / 義務論理 |
Research Abstract |
論理学的手法、言語行為論的手法、ゲーム論的手法、認知情報科学的手法、行動遺伝学的手法を融合して、意思決定の論理と計算についての本研究を進めた。平成23年度は、これらの手法による意思決定研究について整理し、融合的研究に向けた準備を行った。 特に、行動遺伝学的手法と論理および合理性の研究手法とを組み合わせて、アレ・パラドクス課題などの経済行動学意思決定課題について予備実験調査を行った。アレ課題に対する意思決定行動と論理思考能力との間の遺伝要素、環境要素の関連性の調査を開始した。図的認知の情報処理と論理的判断との関連について図的・グラフィック推論を対象に準備研究を進めた。ゲーム理論的意思決定と認識論理との組み合わせによる意思決定モデルのモデル構築を開始した。義務論理と言語行為論の観点を融合した意思決定のモデルの構築も開始した。また、これらの中間成果を確認し、今後4年間の研究計画を立案した。 なお、論理学手法と行動遺伝学手法を融合した行動経済学的意思決定課題被験者調査を進めるにあたって、 パリ大学およびENSを中心とした本研究の海外連携研究拠点の行動経済学、神経経済学グループと理論モデル、調査デザイン、集計手法を協議する必要が生じ、一部の計画が24年度に繰り越された。実際に連携拠点と協議を行い、これらの理論モデル研究と調査を進めることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度として予想以上の成果を得られたと考える。行動遺伝学的手法と論理および合理の研究手法とを組み合わせて、特にアレ・パラドス課題の双生児被験者実験調査を実施たアレ課題に対する意思決定と論理思考能力及び知的能力との間の遺伝要素、環境要素の連性の予備調査を行った。これをもとに作業仮説、理論モデルを海外連携拠点といより規の大きな調査を開始できた。図的・グラフィック推論の理論モデル研究と認知心理学的実開始した。ゲーム理論的意思決定と認識論理との組み合わせた論理モデル研究で成果を上た義務論理を用いて意思決定と義務制約との関係モデルを構築した実際に異なる方法を融合する研究手法を初年度から導入することができた点は満足しているこの初年度の方法論融合の手法を次年度からもさらに発展させていくことができると考える。理論的研究と被験者実験調査と融合延久についても順調に進展させることができた。例えば(1)論理的推論理論をもとにした被験者推論実験。(2)図形的推論の理論モデルの構築とそれに対する認知心理学的被験者実験、(3)意思決定課題に対する期待効用理論モデルに基づく双生児被験者実験などを行った。これにより、判断及び意思決定における理論モデルを実証研究とのかかわりで見直す作業を進めることができた。意思決定研究に行動遺伝学手法を導入し、今後の研究のための作業仮説を立てることもできた。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究成果に基づいて意思決定・行動判断についての研究を進める。(1)論理判断、認識論理、義務論理、図形論理などのさまざまな論理的判断・推論理論の研究、(2論、言語行為論、行動経済学などの意思決定モデルを音にした意思決定者間でのダイナミックインターアクションモデルの研究、(3)意思決定の認知情報科学モデルの研究、(4)意思決定の遺伝要因および環境要因に対する行動遺伝学的研究、をさらに進める。またこれらの研究を融合する方法論について初年度に準備研究を進めたが、その成果を基にさらに融合研究を進める。合理的意思決定能力についての遺伝要因と環境要因の関連、認識論理とゲーム理論を組み合わせた意思決定者間のインターアクションの研究、図的・グラフィック推論による意思決定の認知情報科学的研究などに大きな成果が期待できると考える。理論モデルを基にした被験者調査を行うとともに、その成果に基づき理論モデルを改良する。
|