2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Elucidation of neural computation for prediction and decision making: toward better human understanding and applications |
Project/Area Number |
23120002
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 光弘 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30224025)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
敷島 千鶴 帝京大学, 文学部, 准教授 (00572116)
金子 守 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (40114061)
山田 友幸 北海道大学, 文学研究科, 教授 (40166723)
下嶋 篤 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (40303341)
|
Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2016-03-31
|
Keywords | 哲学 / 意思決定 / 論理学 / 論理哲学 / ゲーム理論 / 行動遺伝学 / 国際研究者交流 / フランス、オランダ、イタリア |
Research Abstract |
多属性意思決定課題や論理的課題を図的表示手法を検討した。また図的表示法の違いがどのように被験者の決定や判断に影響を与えるかを検討した。多属性意思決定研究手法と論理手法(特に論理的意味論)との組み合わせにより、多属性意思決定マトリクスの視覚的デザインの多様な提示を与え、アイトラッカーを用いた被験者実験を開始した。 前年度から継続し、意思決定課題、論理課題、パーソナリティ課題を組み合わせた行動遺伝学調査のデータ分析を進めた。特にパーソナリティとの相関性を検討した。 意思決定や推論・判断における図的表現の有効性についての認知科学的被験者調査を進めた。 アレ課題、論理課題、パーソナリティ課題などの行動遺伝学的意思決定調査を用いて、期待効用論的規範性についての検討を進めたリベットらが依拠している神経科学の知見は合理的意思決定の可能性を排除しないこと、合理的意思決定の可能性が義務論理により分される制度的事実の存立の前提条件を形成すること、言語行為の生み出す制度的事実の変化に関する動的義務論理による推論の手法が知識帰属のスタンダードの変化にも適用できること、(言語行為を分析する動的義務論理がチャンネル理論の局所論理とみなせることなどが明らかになった。帰納的ゲーム理論、認識論理、義務動的論理、線形論理などの手法により意思決定主体間のインターアクションのプロセスのモデルの検討を進めた。また、これを基に、実験調査的手法及び哲学的手法との関連性の解明に向けた研究を開始した。 ルール理解、論理的計算プロセスの理解など、人間の高次モデルベース推論・意思決定の特徴を基礎哲学的な観点から明らかにすることを目指した。ルールの理解についてのWittgenstein中期哲学およびHusserlの計算論的論理の研究を進めた。線形論理的手法を用いて論理構造・命題的判断構造の基盤を考察した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
意思決定の双生児被験者研究の成果が順調に出ている。また、アイトラッカーなどの認知科学手法を用いて論理学的観点と社会心理学的観点を組み合わせた研究も進んでいる。帰納的ゲーム理論や動的義務論理による意思決定の動的モデルの研究も順調に進んでいる。意思決定を容易にする図的表現の研究や、図的提示の仕方が意思決定に与える影響についても順調に研究が進んでいる。合理性やルール理解などの哲学研究も進展した。これらを通じて人間の高次のモデルベース意思決定が多層的に研究できた。上記の多くは既に学術誌への出版が決まっている。これらの研究は学術的オリジナリティを含んでいると考えていう。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究方策に従って研究をさらに進展させる。既に論理手法と行動遺伝学手法の組み合わせによる研究や、認知科学手法と論理学手法を融合した研究、ゲーム理論と認識論理を融合した研究など、分野を融合した研究を順調に進めてきた。本研究期間の後半の2年間はこのような分野融合的研究にもさらに力を入れる。
|