2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Elucidation of neural computation for prediction and decision making: toward better human understanding and applications |
Project/Area Number |
23120002
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 光弘 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30224025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
敷島 千鶴 帝京大学, 文学部, 准教授 (00572116)
金子 守 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (40114061)
山田 友幸 北海道大学, 文学研究科, 教授 (40166723)
下嶋 篤 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (40303341)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 意思決定 / 論理 / 行動遺伝学(双生児法) / 証明論 / 図形推論 / ゲーム理論 / アイトラッカー / 多属性意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
Alternative decision makingを組み合わせて、意思決定と論理推論能力や認知能力との関係に関する被験者実験を行った。我々の実験データの解析を進めた。特に、Allais課題における被験者の意思決定の一貫性と論理推論能力との関係や、多属性表の異なる表現での提示間における被験者の意思決定の一貫性と論理推論能力との関係について調査した。データ解析には、行動遺伝学的手法、アイトラッカー計測手法、論理推論モデル理論などを用いている。 予測のための論理推論を捉えることを目指して、論理推論の空間表象的モデル理論の研究を進めた。特に、言語的推論と図形的推論の区別を論理学的、認知科学的、意味論的観点から考察した。予測のための論理推論に対するモデルベース理論と図形推論理論との関係を、外的論理表象理論と内的論理表象理論の関係性という観点から検討した。また、このことのために必要となる図形推論の論理学的、認知情報科学的基礎研究も進めた。また、図表現の意味分析のための理論的な枠組みの構築に取り組んだ。具体的にはチャンネル理論に基づく「表現系」のモデルを概念的に明瞭化し、具体的な図表現系に適用する方法を示した 現実の意思決定は、他者や環境とのインタラクションの中で行われ、そのことによって環境世界はさらにダイナミックに変化する。このようなダイナミックな変化のなかで意思決定のモデルを、ゲーム理論、認識論理、義務論理、チャネル理論などの融合により形成する研究を前年度に引き続いて進展させた。 言語行為論や言語行動主義的観点から、判断行為の論理哲学的研究を進めた。特にサールの言語行為論、中期ウィトゲンシュタインの言語行動主義、初期フッサールの論理判断論の研究成果を他の上記の諸研究に結び付けた。 他人の効用関数をどのようにして知ることが できるのかを、「社会的役割」という概念から考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「実績の概要」で述べた通り、本研究課題のすべてのサブプロジェクトに対して、充分に成果を上げることができた。 意思決定と論理との関わりについては本研究課題の開始初期に予想していなかったことが明らかになりつつあり、その点でも2014年度成果は達成度が高いといえる。また、最終年度に向けて、これまでのサブプロジェクトの成果を融合していくことが目標となるが、このための準備も充分に進んだといえる。多くの部分ですでに融合的成果が顕在化している。 以上の理由から、おおむね順調(またはそれ以上)と自己評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たる27年度は、これまでの各方法論による研究をさらに融合し、われわれの学際的ー分野横断的方法論を確立すると同時に、その方法論を用いた本研究の分野融合的成果を提示することを目指す。 特に、双生児法遺伝行動学手法、論理学手法、パーソナリティ研究手法などの融合により、意思決定における論理的思考力や知的能力やパーソナリティの影響を明らかにすることを目指す。また、意思決定の提示の仕方が被験者にどのように影響するかについて調査する。アイカトラッカー手法を組み合わせて、意思決定の戦略と論理の関係を解明することも目指す。多主体間認識論理・義務論理とゲーム理論を加えて、動的な環境下での意思決定と論理の関係のモデルを構築する。これらの成果と哲学的意思決定・論理判断理論の成果との関連を明らかにする。 フランス側連携研究者グループも含めて、これまでの研究の取りまとめ、成果共同発表などを進める。
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[Book] Interdisciplinary Works in Logic, Epistemology, Psychology and Linguistics: Dialogue, Rationality, and Formalism2014
Author(s)
Maxime Amblard, Guillaume Aucher, Martine Batt, Jean Caelen, Marcelo Dascal, Gerhard Heinzmann, Franck Lihoreau, Michel Musiol, Eric Pacuit, Sylvain Pogodalla, Manuel Rebuschi, Oliver Schlaudt, Christian Thiel, Frederick Tremblay, Alain Trognon, Frederic Verhaegen, Denis Vernant, Anne Xuereb, Tomoyuki Yamada
Total Pages
372(181-199)
Publisher
Springer International Publishing