2011 Fiscal Year Annual Research Report
実店舗におけるヒトの購買意思決定過程のモデル化と操作
Project Area | Elucidation of neural computation for prediction and decision making: toward better human understanding and applications |
Project/Area Number |
23120005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
柴田 智広 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (40359873)
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Keywords | 意志決定 / 行動経済学 / 人間機械系 / 環境知能 / 生体計測 |
Research Abstract |
実験システムの開発,パイロット実験およびデータ解析を行った。 実験システムはのうち,計測サブシステムは、位置計測用のレーザー測距システムを基本とし、被験者の位置や姿勢を推定する画像処理システム、眼球運動計測システムから構成した.試験的にfNIRSもシステムに組み入れて実店舗にてパイロット実験を行った。介入サブシステムは主にコミュニケーション用のロボット,商品情報を自在に提示できるデジタルサイネージから構成した。 パイロット実験は大阪市にあるアジア太平洋トレードセンタ(ATC)内の実店舗(大阪および近郊の土産物を販売)で行った。コンビニエンスストアと比べ,お土産はじっくりと比較検討されるであろうという予想通り、非常に長時間店内に滞在していることが多数の客の軌道データから確認された。 第一のパイロット実験では、ロボットの存在が買い物客の注意を引くことができるか、また、ロボットの介入(推薦行動)により、人気商品の売り上げに影響を及ぼすことができるか、を調査した。その結果、ロボットの位置に買い物客の軌道が偏ること、また、ロボットの介入により、売れ筋商品ランキングに影響を与えられる可能性を見いだした。今回、ロボットは半自律的に制御していた.長期連続実験ができるよう完全自立化を進め,統計的有意性を得ることは今後の課題である. 第二のパイロット実験では、実験参加者が商品選択行動をする際の、脳皮質活動、眼球運動、および姿勢を同時計測した.fNIRS計測は屋外光,店舗内のライティング,眼球運動計測装置が発する近赤外校の影響を受けるが,適当なシートを用いて遮蔽を行うことができた.データ解析により,合理的な皮質活動計測ができている可能性を見出した.姿勢計測データからのモーションアーチファクト除去は今後の課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験システムの開発およびパイロット実験の実施は,おおむね順調に進んだが,長期的なデータを得るためのほとんど自律的な実験システムまでは完成しておらず,従って大量のデータを得ることができていないため,統計的なデータ解析やモデル推定にまでは至っていないため.
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Strategy for Future Research Activity |
実店舗での長期連続実験ができるよう,実験システムの完全自立化を進め,ロボットの介入(推薦行動)により、人気商品の売り上げに影響を及ぼすことができるか、長期連続実験を行ったのち,データ解析を行い調査する。 また,実験参加者が商品選択行動をする際の、脳皮質活動、眼球運動、および姿勢の同時計測実験を引き続き進め,姿勢計測データからのモーションアーチファクト除去,またそれを含めた適切な前処理後のデータ解析により,合理的な皮質活動計測ができていることを確認する. 以上のシステムを利用し,実店舗でできるだけ多くのデータを収集し,データベース化や意思決定モデルの提案と評価を繰り返す.
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Research Products
(3 results)