2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規糖尿病感受性遺伝子による脂肪蓄積制御の機構の解明とエピゲノムの意義
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
23126101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
脇 裕典 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (00466765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩部 真人 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30557236)
岩部 美紀 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70392529)
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Keywords | 糖尿病 / 肥満 / 疾患感受性遺伝子 / エピゲノム / 転写 |
Research Abstract |
肥満・脂肪細胞肥大におけるアディポネクチン(Ad)低下の原因転写因子として同定されたDeb1について、Adプロモーターにおいて、Deb1がAdの転写を制御する分子機構を、3T3-L1脂肪細胞の系でレトロウイルスによる過剰発現とRNAiによるノックダウン、ゲルシフト解析、ルシフェラーゼ解析、などで明らかにすることを試みた。過剰発現あるいはノックダウンによって、Adの発現が増減することが確認出来た条件下において、ゲルシフト解析ならびにルシフェラーゼ解析によりDeb1が結合して、Adの発現を制御する領域を同定した。また肥満に伴う脂肪細胞内の代謝ストレスシグナルやエネルギー代謝制御シグナルの変化が、Deb1の発現を制御していることを見出した。2型糖尿病疾患感受性遺伝子として同定されたCDKAL1の脂肪蓄積制御における役割を検討するために、CDKAL1を3T3-L1脂肪細胞に過剰発現させたところ、脂肪蓄積および脂肪細胞分化が強く抑制されることを見出した。逆にCDKAL1をノックダウンした細胞では脂肪細胞分化が促進した。さらにCDKAL1の過剰発現による脂肪分化抑制はC/EBPβ、C/EBPδ以降のC/EBPαおよびPPARγを発現上昇させる経路の抑制によることが示唆された。CDKAL1のどのドメインが脂肪細胞分化制御作用に重要かを検討するために、各種delition変異や点変異を作成し、N末側の機能ドメインがその役割に重要であることが示唆された。ヒストンアセチル化酵素CBPが高脂肪食に伴う脂肪蓄積を制御する分子メカニズムを転写・エピゲノム修飾のレベルで明らかにする基盤技術としてゲノム上のヒストン修飾やクロマチン構造を検出するChIP-seqやFAIRE-seqの解析技術を確立し、脂肪細胞特異的な転写制御領域の同定と解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づいて、各プロジェクトともおおむね計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の結果に基づき、引き続き当初の研究計画に基づいて研究を遂行する。
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