2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of automated synthetic robot systems for efficient exploration of gigantic chemical space
Project Area | Creation of gigantic chemical space science: Establishment of scientific principles for finding useful compounds from hundreds of millions of unknown compounds |
Project/Area Number |
23H03810
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長田 裕也 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 特任准教授 (60512762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 信弥 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 特任准教授 (30873575)
秋山 世治 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 特任助教 (50894581)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 自動合成 / 自動分析 / 自動合成ロボット / 自律合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学反応によって生成されるさまざまな化学物質は、医薬品や機能性材料として現代社会において不可欠である。これらの化学物質は、日常生活の質の向上や多くの産業分野での技術革新に寄与している。しかし、人類がこれまでに発見または利用している化学物質は、元素の可能な組み合わせ、すなわち巨大化学空間のごく一部にすぎない。この巨大化学空間には多くの未踏の領域が存在し、これらの領域の探索は今後の科学技術の進展にとって重要な課題である。この課題に取り組むため、本提案では自動合成ロボットに様々な分析装置を直接接続し、自動的な合成プロセスと共に生成物の構造確認及び物性測定を行い、効率的な化学空間の探索方法を確立することを目指している。この取り組みにより、新たな化学物質の発見が加速され、より多くの化合物が利用可能となることが期待される。本年度の研究では、多様な構造を有するターゲット分子について自動合成ロボットを用いて合成し、さらに連続して超臨界CO2クロマトグラフィーにおける保持時間を測定することで、化合物の構造と保持時間の相関についてデータを得た。本学術変革領域内の共同研究を通じて情報化学的アプローチを活用することで構造から保持時間を予測する機械学習モデルを構築した。さらに、遷移金属触媒反応における反応条件の自律的最適化についても検討を進め、自動合成、自動分析および、ガウス過程回帰を用いた新たな反応条件の提案を行うことに成功した。今後、種々の化学変換における反応条件の自律的最適化に挑戦する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究では、遷移金属触媒反応における反応条件の自律的最適化についても検討を進め、自動合成、自動分析および、ガウス過程回帰を用いた新たな反応条件の提案を行うことに成功した。これらの要素技術を組み合わせることで、化学反応条件のクローズドループ最適化について予備的な検討ができる環境を整えることが出来た。世界的にみても、このような技術環境を保有しているグループは非常に限られており、おおむね計画通り順調に研究が進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究について、反応条件の自律的最適化について重点的に検討を進める予定である。特に、変化させるべき条件の多い遷移金属を用いた触媒反応について、計算化学を活用しつつ自律的に条件を最適化するためのシステムの構築を行う。また、自動合成と自動物性測定を組み合わせることで、目的とする物性を有する化合物を自律的に合成するシステムについても検討を進める予定であり、特に蛍光発光を示す化合物群について重点的に検討を行う。
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Research Products
(6 results)