2012 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on the language, history and religion of Ancient West Asia as reflected in Peripheral Akkadian Documents
Project Area | Ancient West Asian Civilization as the foundation of all modern civilizations: A counter to the 'Clash of Civilizations' theory. |
Project/Area Number |
24101008
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
池田 潤 筑波大学, 人文社会系, 教授 (60288850)
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Project Period (FY) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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Keywords | 楔形文字 / エマル |
Outline of Annual Research Achievements |
採択後、イスラエル国テルアビブ大学のYoram Cohen博士と日程調整を行い、次年度に実施する共同研究会の日取りを決定した。これにより、2013年12月に国内の研究協力者を交え、本研究の目的②および③(下記)をテーマとする国際研究ワークショップを開催することになり、目的の達成に向けて好著なスタートを切ることができた。 ② エマルに前14 世紀にさかのぼる第一王朝と前13 世紀から前12 世紀初頭にかけての第二王朝が存在したというA. Skaist の学説を批判的に再検討し、エマル市の政治史を解明する。 ③ 王家と長老会に代表されるシリア型とM1 神殿を拠点とするシリア・ヒッタイト型という2つの書記伝統が時代的に前後するというY. Cohen とL. d’Alfonso の学説を見直し、エマル市における文字言語文化と宗教の実態を解明する。 一次資料を確認・照合する目的で、池田(研究代表者)と山田(研究協力者)がシリアでエマル文書の粘土板を調査する予定だったが、内線により治安が非常に悪かったため、代わりに永井(研究協力者)がトルコとエジプトの博物館所蔵の文字資料を調査したが、一次資料の確認・照合に係る当初の計画に遅れが出ている。 本計画研究の遂行に必要となるパソコンや図書を購入し、その多くを西アジア文明研究センターに開架し、共益に付した。調査資料の整理やデータ入力のために大学院生等を雇用した。山田(研究協力者)がフランスで、永井(研究協力者)がドイツで今年度の研究成果を発表し、国際的な活動にも努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シリアの治安が悪く、粘土板の調査が全くできないため、研究の進捗はやや遅れている。それ以外の面では、次年度に海外の研究者と実施する共同研究会の日取りが決まり、山田(研究協力者)がフランスで、永井(研究協力者)がドイツで今年度の研究成果を発表するなど、順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
シリアの治安が改善する見込みがたたないため、シリアでの粘土板調査を主体とした研究から、よりデジタル資料を活用したDigital Humanities的手法へのシフトが必要となる。今年度は、それに向けた基礎研究を永井・高橋(研究協力者)と協力して推進する。
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