2015 Fiscal Year Annual Research Report
高分子反応による多彩な元素ブロック高分子の構築法の開拓
Project Area | Creation of Element-Block Polymer Materials |
Project/Area Number |
24102007
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
冨田 育義 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (70237113)
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Project Period (FY) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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Keywords | 合成化学 / 高分子合成 / 高分子反応 / π共役高分子 / 元素ブロック / 機能性高分子 / 太陽電池 / 有機導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者らが開発し展開中の反応性有機金属高分子の主鎖骨格の組み替えを伴う高分子反応をさらに発展させ、これまでに合成例のほとんど無い多彩な元素や元素ブロックを付与したπ共役高分子を得る手法を確立し、これに基づく卓越した光・電子特性をもつ超機能材料の創製へと展開することを目的に検討を行っている。 平成27年度は反応性有機チタンポリマーの高分子反応によって得られる第15族元素ブロック含有π共役高分子であるホスホール部位をもつπ共役高分子の化学修飾の可能性をさらに追求し、新しい第15族元素ブロック含有π共役高分子を合成し、それらの光・電子特性を明らかにした。また、第16族元素ブロックとしてチオフェンオキシド部位をもつ高分子の酸化によるチオフェンジオキシド部位をもつ高分子への変換、Diels-Alder反応によるπ共役高分子の構築などについても検討した。 つぎに、第14族元素ブロック含有π共役高分子の構築の可能性を追求する目的から、有機チタンポリマーの高分子反応では反応性が不十分なために合成が困難であった含ケイ素および含スズπ共役高分子を対象として、既に合成を確立しているテルロフェン含有π共役高分子のリチオ化によって、より高い反応性をもつ前駆体を経由させながら高分子反応を行った結果、効率よく目的の反応が進行し、第14族元素ブロック含有π共役高分子が得られる可能性が示された。 さらに、遷移金属部位をもつ元素ブロック高分子の合成に関しては、ジイン類と低原子価パラジウム錯体の反応によるパラダサイクル含有高分子の合成を詳細に検討し、これらの反応性についても一部報告を行った。また、ホスホール含有π共役高分子をリチオ化することによりホスホリドアニオンを発生させ、ここに各種遷移金属を配位させる方法によって種々のメタロセン含有高分子へと変換できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究開始時に計画していた、第15 族インターエレメント結合をもつ元素ブロックπ共役高分子の合成については、特にホスホール含有高分子の反応に基づき、多様な材料系への展開の可能性が示された。また、含テルル高分子や含チオフェンオキシド高分子の高分子反応を種々検討し、新しいπ共役高分子への展開か可能となることを明らかにした。 さらに、遷移金属含有高分子の構築については、ジイン類のメタラサイクル化により含パラダサイクル高分子の合成を発展させ、これらの反応性についても検討を行い、新規なπ電子系をもつ高分子を得る手法としての位置づけを行った。 また、ホスホール含有高分子のリチオ化を経由することでホスホリド配位子をもつ含メタロセン高分子の合成へと発展させることができ、当初の予定以上の成果をえることができた。 なお、第13族および第14族元素をもつ含ヘテロールπ共役高分子への変換については、上記のテルロフェン含有π共役高分子のリチオ化を経由する手法により構築できる可能性が明らかとなり、特にスズおよびケイ素を含む第14族元素ブロックπ共役高分子を合成することができた。なお、班間共同研究については、A04班との共同研究を通してこれまでに合成してきた元素ブロックπ共役高分子における元素の特異な電子特性発現への効果やヘテロ元素間の相互作用による高次構造の構築の可能性などを理論的に裏付けすることができた。A03班との共同研究を通したデバイス化の検討については現在検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度までに得られた知見をさらに発展させ、各種元素ブロックπ共役高分子の合成の可能性を引き続き追求する。特に、テルロフェン含有π共役高分子のリチオ化を経由する手法に基づき、有機チタンポリマーを直接反応させる方法では合成が困難であった第13族~15族元素ブロックπ共役高分子およびそれらを基本骨格とした元素間結合をもつπ共役高分子、および各種遷移金属元素をもつπ共役高分子の合成についても検討を加え、新しい元素ブロックπ共役高分子の構築の可能性を広く追求する。また、ここで得られる元素ブロックπ共役高分子を新たに反応性高分子として用いる新規な元素ブロックπ共役高分子への変換についても併せて推進する。 つぎに、一連の研究で得られた各種元素ブロックをもつπ共役高分子における光・電子特性と元素ブロックの構造との関係を体系化し、目的とする優れた機能をもつπ共役高分子を設計、合成するための分子設計指針を明確化する。さらに、この分子設計指針に基づき、電子デバイス等への応用に向けた機能性元素ブロックπ共役高分子を構築し、共同研究を通してそれらのπ共役高分子材料の特性評価を推進する。
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Research Products
(86 results)
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[Journal Article] Practical Synthesis and Properties of 2,5-Diarylarsoles2015
Author(s)
2.Ishidoshiro, M.; Matsumura, Y.; Imoto, H.; Irie, Y.; Kato, T.; Watase, S.; Matsukawa, K.; Inagi, S.; Tomita, I.; Naka, K.
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Journal Title
Org. Lett.
Volume: 17
Pages: 4854-4857
DOI
Peer Reviewed
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