2016 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular Design and Research of the Electronic Properties of Polymers Based on Element-Blocks
Project Area | Creation of Element-Block Polymer Materials |
Project/Area Number |
24102014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 一義 京都大学, 福井謙一記念研究センター, 研究員 (90155119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笛野 博之 京都大学, 工学研究科, 助教 (30212179)
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Project Period (FY) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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Keywords | 理論化学的シミュレーション / 分子構造 / 結晶軌道 / バンド構造 / 結晶軌道相 / 元素ブロックの反応性 / ヘテロ元素 / 分子設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は電子化物としての機能を備えたソフトマテリアルを得るために必要な電子を安定に補足しうる無機元素ブロックとして、無機カゴ型分子As4S6及び[HPO3BH]4(POBと略)の理論的分子設計を行った。 As4S6の解析結果では、中性状態よりもモノアニオンの方がエネルギー的にかなり安定であり、この分子は電子を安定的に捕捉する能力を持つことが分かった。この余剰電子を収容するSOMO(半占分子軌道)は中性As4S6分子のLUMO(最低空分子軌道)よりも準位が一つ上にある三重縮退したLUMO+1の一つに入る。これによりJahn-Teller変形が起こって、モノアニオンでは中性状態のTdからCsに対称性が下がる。このSOMOを構成するのは、Cs面上にあるAsと隣接するSとの間のspσ*性の反結合性軌道である。モノアニオンの余剰電子は当該As原子の正電荷を減ずる役割をし、結果としてAs原子のローンペア性を高めている。 POBでも中性状態よりモノアニオンの方がエネルギー的に安定であり、やはり電子を安定的に捕捉する能力を持つ。POB-のSOMOの起源となるのは中性POB分子のLUMOで縮退はしていないが、モノアニオンでは構造緩和が起こって中性状態のTからC3に対称性が下がる。余剰電子が入るSOMOを構成するのはC3軸上にあるPと隣接するOとの間のspσ*性の反結合性軌道である。余剰電子はこのP原子の正荷電を減ずる役割をし、結果としてP原子のローンペア性を高めている。 以上の解析結果からAs4S6とPOBでは少なくとも1個の余剰電子を安定的に捕捉すると予測できる。これらのモノアニオンは中性状態よりも安定であり、適切な置換基をつけて高分子鎖に組み込むことができれば、磁性、誘電性、あるいは特徴的な光物性など種々の機能を持つ安定なソフトマテリアル電子化物の作製が可能になると期待できる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Stereoisomerization of 1,4-Dihydroarsininenetetracarboxylic Acid Diimides under Non-Acidic Condition from Cis- to Trans-Forms2017
Author(s)
K. Naka, T. Kato, K. Abe, M. Ishidoshiro, S. Nishiyama, S. Tanaka, H. Imoto, S. Watase, K. Matsukawa, H. Fueno, K. Tanaka
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Journal Title
HETEROCYCLES
Volume: 94
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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