2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Nuclear matter in neutron stars investigated by experiments and astronomical observations |
Project/Area Number |
24105007
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
高橋 忠幸 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (50183851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 匡弘 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (10528178)
玉川 徹 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 准主任研究員 (20333312)
堂谷 忠靖 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (30211410)
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Project Period (FY) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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Keywords | X線天文学 / 中性子星 / ASTRO-H / ガンマ線天文学 / 放射線検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ASTRO-H衛星などの科学衛星を用いて宇宙観測による中性子星半径への制限をつけることを目的としている。中性子星の半径を従来よりも正確に制限をつけるために,当初のASTRO-H衛星に搭載される検出器に対する要求に加えて高い計数率の環境下においても,そのスペクトル測定性能を満たすようにすることが必要である。そのため,昨年度に引き続き,ASTRO-Hの超高分解能分光装 置の波形処理装置(PSP)の高計数率観測に向けた最適化と試験を行っている。特にFPGAを用いた高速データ処理が開発の鍵となっている。本年度は,検証を行いながらロジックの最適化をはかるとともに,高いエネルギー精度を確保するための機上キャリブレーションを行い,実際に搭載用マイクロカロリメータシステムと組み合わせ,X線発生装置を用いて高い計数率の環境下での性能評価を行った。中性子星の広帯域観測を行うためにASTRO-Hに搭載されるX線CCDや硬X線イメージャ,さらに軟ガンマ線検出器を同時に用いて中性子星の高計数率観測を行い広い帯域でのスペクトルを取得することを想定して,地上用の試験装置の開発と整備を進めた。打ち上げ後観測すべき天体の選定作業を海外の研究者とともにすすめ,チャンドラ衛星など,これまでの観測結果を再解析しながら天体の選定作業を進めた。その際,理論シミュレーションの整備をおこなった。硬X線観測装置について,本研究で製作した地上試験機を用いて実際の性能確認作業を行い,検出器の応答や時間分解能,さらに不感時間の定量化を行った。ヨーロッパの研究者と協力し,中性子星の半径を決定するためのLOFT衛星計画をヨーロッパ宇宙機構(ESA)からのM4の募集にたいして提案した。米国のNICER計画において望遠鏡の開発に参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ESAのM4の公募に対して,我が国の貢献を明らかにしたうえで提案書を準備し,実際に提案することができた。提案にあたって,日本のメーカによる微細コリメータの試作,予備実験を行い,ヨーロッパで作るのにくらべて,はるかに低コストで性能の高いものができることを示し,それが提案のトータルコストを下げるのに役立った。現在,最初の審査をパスし,最終審査の段階にある。中性子星からのガンマ線を観測するための軟ガンマ線検出器の地上試験装置に関して前倒しで製作を開始できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ASTRO-Hの打ち上げに向けて,中性子星観測に関連したキャリブレーション,ソフトウェアの整備を行う。観測提案の具体化作業をおこない,シミュレーションソフトウェアを整備する。多様な手法で中性子星のEOSに制限をかけるために,新たに研究分担者として立教大学の内山准教授を加え,理論計算の他,TeVガンマ線やGeVガンマ線を用いた観測的研究を範囲に加える。米国の将来計画のNICER,ヨーロッパの将来計画提案のLOFTに引き続き参加し,ASTRO-Hとの協調を検討する。 ASTRO-Hの観測において,観測装置間のノーマリゼーションのキャリブレーションが必要である。そのために地上用試験装置が有効である。本年度は軟ガンマ線観測装置の地上試験装置の整備を続け,硬X線観測装置とともに,高い計数率での観測における検出器の応答や不感時間について実験を行う。
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[Journal Article] The Si/CdTe semiconductor Compton camera of the ASTRO-H Soft Gamma-ray Detector (SGD)2014
Author(s)
S. Watanabe, H. Tajima Y. Fukazawa, Y. Ichinohe, S. Takeda, T. Enoto, T. Fukuyama, S. Furui, K. Genba, K. Hagino, A. Harayama, Y. Kuroda, D. Matsuura, R. Nakamura, K. Nakazawa, H. Noda, H. Odaka, M. Ohta, M. Onishi, S. Saito, G. Sato, T. Sato, T. Takahashi, T. Tanaka, A. Togo, S. Tomizuka
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Journal Title
Nucl. Instr. Meth. A
Volume: 21
Pages: 192-201
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] NGC 7538 : Multiwavelength Study of Stellar Cluster Regions associated with IRS 1-3 and IRS 9 sources2014
Author(s)
Mallick, K. K., Ojha, D. K., Tamura, M., Pandey, A. K., Dib, S., Ghosh, S. K., Sunada, K., Zinchenko, I., Pirogov, L., Tsujimoto, M.
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Journal Title
MNRAS
Volume: 443
Pages: 3218-3237
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Bin mode estimation methods for Compton camera imaging2014
Author(s)
Ikeda, S., Odaka, H., Uemura, M., Takahashi, T, Watanabe, S, Takeda, S.
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Journal Title
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A
Volume: 760
Pages: 46-56
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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