2014 Fiscal Year Annual Research Report
高度時空間制御による生体適合放電生成の基盤確立と革新的医療プラズマ源の創成
Project Area | Plasma medical innovation |
Project/Area Number |
24108003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
節原 裕一 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (80236108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 亮 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (90323443)
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Project Period (FY) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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Keywords | プラズマ医療 / プラズマ生成・制御 / 医療・福祉 / 生体分子 / 低侵襲治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、プラズマ生成・制御ならびに相互作用に関する研究成果を礎に、放電制御と気相活性粒子計測に基づく研究により、生体適合性と時空間制御性に優れた放電生成の基盤確立を通じて、革新的な医療用プラズマ源を開発することを目的としており、目的達成のため、以下の課題を設定している。[1]生体高分子との相互作用解明、[2]放電構造・活性種分布の時空間計測・評価、[3]放電励起の高度時空間制御による生体適合放電の基盤確立、[4]革新的医療プラズマ源の開発。 本年度は、これまでに蓄積した知見ならびに実験系をベースに、まず、上記の研究課題[3]について、これまでに蓄積した基礎データを基に、大気圧中での非平衡プラズマ生成の時空間制御に向けて、放電励起周波数依存性ならびに放電ガス流体挙動依存性について更なる究明を行った。放電励起周波数の観点では、数kHzから100MHzにわたる広範な周波数領域での系統的な大気圧放電プラズマ生成技術を開発し、高周波電力を用いることで、原子状酸素の生成密度を格段に向上可能であることを『プラズマ医療科学総合拠点』での活性種計測に関する共同研究で明らかにした。放電ガス流体挙動依存性の観点では、反応性気体との混合状態の能動的な制御と共に、シュリーレン法によるガス流れの可視化に加えて、液中での活性種生成挙動の可視化に関する研究に取り組み、放電状態ならびにガス流れが液中活性種生成挙動に密接に関与していることを明らかにした。また、研究課題[2]について、これまでに整備した計測手法ならびに基礎データを基に、活性種の時空間分布に関する研究と共に紫外線による活性種生成の影響について明らかにした。さらに、研究課題[4]について、これまでの研究で得られた知見を基に、ラジカルのみを選択的に生成可能なプラズマ源を『プラズマ医療科学総合拠点』と共同して開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記したように、本年度での計画課題の達成のみならず、特に、放電ガス流体挙動依存性の観点では、シュリーレン法によるガス流れの可視化に関するアプローチに加えて、液中での活性種生成挙動の可視化に関する新たな研究手法を組み入れ、放電状態のみならずガス流れが液中活性種生成挙動に密接に関与していることを、可視化された分布像としてより直接的に捉えることが可能になった。ガス流れと液中活性種生成挙動の可視化は、次年度以降の本計画研究のアプローチにおいて重要な役割を担うだけでなく、本新学術領域内A01~A03班でのプラズマ照射実験全般に関わる極めて重要な知見を与えることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに整備した実験系ならびに蓄積した知見をもとに、本研究計画で設定した課題に基づいて、研究を推進する。特に、本新学術領域研究において名古屋大学に構築された『プラズマ医療科学総合拠点』での装置および計測技術の活用に加えて、研究情報の共有に積極的に参画し、生体適合放電生成の高度化と革新的医療プラズマ源の創成に向けて、『プラズマ医療科学総合拠点』を通じたA01~A03班での照射実験をはじめとする共同研究への参画を図っていく予定である。
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Research Products
(48 results)