2013 Fiscal Year Annual Research Report
| Project Area | Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules |
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| Project/Area Number |
24109002
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| Research Institution | Hiroshima University |
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Principal Investigator |
山本 陽介 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50158317)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 雅由 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (80252568)
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| Project Period (FY) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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| Keywords | 典型元素 / 反応 / 構造 / 物性 |
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| Research Abstract |
山本は、昨年度、新規合成した新規３座配位子に硫黄およびセレンを導入することに成功していたが、今年度はテルルの導入にも成功した。セレンについては目的の超原子価ラジカルの合成と構造解析にも成功した。A02班の関口先生・中野さんとの共同研究として電池材料の性能評価を行った。期待通りの性能が得られつつあるが、さらなる分子量の削減等に取り組むことになった。
研究分担者の中野は、超原子価硫黄ラジカルの量子化学計算による構造予測を行い、実験値との比較を行い、特に構造の対称性について検討した。また安定な三重項カルベンの計算（スピン密度やS-Tギャップ）も開始した（山本教授との分担）。1,3-ジラジカルの構造及び電子スペトルの理論予測については、いくつかの実在系について励起状態の計算を行い、実験値との比較を通して、信頼できる計算手法の選定を行った。さらに開殻性に対する置換基効果についても明らかにし、それに依存した光学応答特性や励起状態について解析を進めている（A02班安倍教授との共同研究）。高周期典型元素を含む２置換ベンゼンについては、ジラジカル性を制御することが可能であることを予測し、その光学応答特性が開殻性に大きく依存することを明らかにした（A02班関口教授との共同研究）。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの達成度
山本：昨年度に新規超原子価硫黄およびセレンラジカルの合成に成功していたので、今年度は、１６元素ラジカルを正極に、筑波大学関口教授のケイ素ラジカルを負極にしたオールラジカル電池の性能評価に取り組んだ（トヨタ中研中野さんとの共同研究）。その結果、ケイ素ラジカルとセレンラジカルの組み合わせが最も良い事がわかり、電位も期待通り非常に高い事もわかった。ただ、それぞれの化合物の性能に比べて、組み合わせたときの性能がまだあまり高くない事もわかったので、改良に取り組む事になった。
中野：山本教授・安倍教授・関口教授との上記共同研究による理論予測・解析に取り組み、今後の感応性化学種の研究展開に向けて大きな一歩を踏み出している。
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| Strategy for Future Research Activity |
新規高配位16族元素安定化ラジカルのうち、超原子価硫黄およびセレンラジカルの合成と構造解析に成功した。予備的に、A02班の関口教授のケイ素ラジカルを負極に、我々の合成した硫黄およびセレンラジカルを政局にしたオールラジカル電池の作成も検討した。我々の化合物の電解液への溶解性が高すぎたため、繰り返し特性はまずまずの値しか出ていないが、電位はこれまでの有機ラジカル電池を大きく上回る値を示した。期待通りの性能が出つつあると言えるが、溶解性を落として分子量も減らした16族硫黄化合物合成に取り組む必要があることが分かったので、今年度は新たな骨格を持つ超原子価硫黄化合物の合成を行い、電池としての物性評価を行う。また、生体内反応のモデル化合物にも引き続き取り組む。
理論計算としては、これら超原子価硫黄化合物の電子状態、スピン状態、安定構造等の高精度量子化学計算を行い、実験結果の解析に協力する。また、昨年度より開始した、(1)新規1,3-ジラジカル分子の励起状態計算に基づく、開殻性や光物性に対する置換基効果の解明（A02班安倍教授との共同研究）、(2)高周期典型元素を含む2置換縮環分子系についてのジラジカル性制御に基づく光学応答特性の制御(A02班関口教授との共同研究）、(3)高周期典型元素を含む4員環系の開殻性と光物性の解明（A02班関口教授、A01班岩本教授との共同研究）、などについて引き続き取り組む。
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