2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
24109002
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 陽介 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50158317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 雅由 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (80252568)
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Project Period (FY) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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Keywords | 典型元素 / 反応 / 構造 / 物性 / 開殻性 / 光機能 / 電子状態 / 励起状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
山本は、昨年度までに新規に合成していた超原子価硫黄及びセレンラジカルを正極に用いて、A02班関口が開発してきたケイ素ラジカルを負極としたオールラジカル電池の共同研究に着手していた。期待通りの性能は出つつあったが、我々の化合物の電解液への溶解性が高すぎたため、繰り返し特性がまずまずの値しか出なかった。そこで、新たに、溶解性が小さく分子量も小さい新規超原子価硫黄化合物の合成に取り組んだ。苦労したが少量の化合物合成には成功し、電極材料としての予備評価を行ったところ,約200 mAh g-1の放電容量が得られ、リチウム電池よりも大きな容量をしめした。ただ、配位子を単純化したため、ラジカルが繰り返しにより、二量化等の反応を起こしていると思われた。今後は反応機構の解明および容量,サイクル特性の改善を行う。
中野は、X-π-X(X = D(donor)/A(acceptor))系のモデルとしてp-キノジメタンの両側に荷電を置いて分子内電荷移動(CT)を調整したPQM+電荷モデルを検討し、開殻性と分子内CTを併せ持つ新規の開殻系が従来の系より大きな光応答を示すという設計指針を明らかにした。この実在系として、関口により合成されているSi, Geの二置換ベンゼンについて検討を行い、PQMに比べて7-8倍のγの増大を予測した。さらに、関口らにより合成された実在系を含む4員環系についても系統的に検討し、Niecke型が中間ジラジカル性をもち、元素種の電気陰性度に基づいた開殻性の変化とそれに基づくγの制御が可能なことを予測した。安倍との共同研究では、引き続き1,3-ジラジカル系の置換基効果によるγの変化について検討を行った。また、超原子価硫黄ラジカルの量子化学計算による構造や物性の解析を引き続き行っており、今後、実験値との比較を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの達成度 山本:概ね順調:昨年度の課題であった新規化合物合成に成功し、期待通り大容量化に成功した。ただ、まだ繰り返し特性等に課題があることもわかった。
中野:概ね順調:開殻性と非線形応答との相関について、従来の炭化水素化合物に加え、高周期典型元素を含む系に中間開殻性を有する系が多数存在することが明らかになり、未開拓の光機能性分子の研究が進展したため。
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Strategy for Future Research Activity |
山本:反応条件や電解液等の最適化により、電池材料としての性能の最適化に取り組むとともに、さらに改良した新規化合物合成も行う。
中野:班内、班間の実験家との共同研究を引き続き実行し、高周期典型元素化合物の元素種や幾何構造と密接に関係した系の開殻性と励起状態および光応答特性の解明を行う。
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[Journal Article] Diradical Character and Nonlinear Optical Properties of Buckyferrocenes: Focusing the Use of Suitably Modified Fullerene Fragments2015
Author(s)
M. SHABBIR, S. Ito, M. Nakano, R. Kishi, K. Yoneda, Y. Kitagawa, M. Shkir, A. Irfan, A. R Chaudhry, S. AlFaify, A. Kalam, A. G. Al-Sehemi
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Journal Title
Phys. Chem. Chem. Phys.
Volume: 17
Pages: 5805-5816
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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