2014 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外情報処理空間における細胞間・生物間情報伝達機構の解析
Project Area | Plant cell wall as information-processing system |
Project/Area Number |
24114009
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
澤 進一郎 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (00315748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相田 光宏 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 准教授 (90311787)
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Project Period (FY) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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Keywords | 植物細胞壁 / 分裂組織 / センチュウ感染 / 生物間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、全ての植物細胞を取り囲む細胞外マトリクスである細胞壁を、細胞間・生物間でおこる様々な情報のやりとりを仲介・統合する機能を持った細胞外情報処理空間と捉え、その植物の成長制御における役割を明らかにする。そのため、①植物病害と②内生プログラムという異なる刺激が関わる、植物の生長制御に重要な分裂組織の活性調節をアウトプットとした現象をモデル系とし、新規の解析概念、解析手法の 確立と、それを基にした細胞外インテリジェンスの機能解明にとりくんでいる。 まず、植物病害の項目に関して、本年度は、線虫の誘引物質に関する新知見が得られた。シロイヌナズナゲノムに存在する全てのWOX遺伝子の発現について、線虫感染過程のステージを追って解析した。その結果、WOX3, 5, 7, 9, 12, 13遺伝子が、線虫感染過程において特異的にその発現が上昇することがわかった。今後は、突然変異体を用いた遺伝学的解析を進める。また、植物の線虫誘引物質の単離に向けて、シロイヌナズナの種子ムシゲルに誘引活性が見いだされた。さらに、ムシゲル中の糖が誘引物質であることが示唆された。様々な糖類を調査した結果、グルコマンナンが誘引に必要である(十分ではない)ことが明らかとなった。また、グルコマンナンが種子ムシゲルに含まれることも明らかになった。 一方、内生プログラムの項目に関して、本年度は、以下の成果が得られた。 PUB4遺伝子の単離について、シロイヌナズナのCLEペプチド耐性突然変異体としてclen101, 102, 103を単離した。一方、CLE遺伝子の過剰発現株の抑圧突然変異体としてsol3突然変異体が単離されていた。原因遺伝子を特定した結果、これらは、全てPUB4ユビキチンリガーゼに変異が入っていることがわかり、原因遺伝子として特定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、全ての植物細胞を取り囲む細胞外の超分子である細胞壁を、細胞間・生物間でおこる様々な情報のやりとりを仲介・統合する機能を持った細胞外インテリジェント空間と捉え、その植物の成長制御における役割を明らかにしている。そのため、植物病害と内生プログラムという異なる刺激が関わる、植物の生長制御に重要な分裂組織の活性調節をアウトプットとした現象を研究系とし、新規の解析概念、解析手法の確立と、それを基にした細胞外インテリジェンスの機能解明にとりくんでいる。当該年度も多くの因子の単離に成功し、また、さらなる因子の探索も計画以上に進んでいる。特に、内的な発生プログラムに従って生じた局所的なシグナルを、植物がどのように解釈・統合し、器官・個体レベルでの生長制御に繋げていくのかに関して、転写因子CUC1・CUC2・CUC3の機能解析も進んでいる。具体的には、胚発生におけるCUCの標的遺伝子候補のであるSTMのプロモーター上において、CUC1およびCUC2による転写活性化に十分な小領域 (142bp)を同定できた。また、別の標的候補として同定したEPF型ペプチドホルモンをコードする遺伝子が、細胞非自立的に胚器官の成長を制御することが分かった。さらに、CUC2とCUC3が花序分裂組織近傍の境界部におけるくぼみ形成を促進し、花原基が分裂組織から離れた後も長期にわたって原基の配置に影響を及ぼすことも明らかにした。このように、当初の計画以上に成果がでていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで進めてきた解析を引き続き継続して行う。主に,センチュウ感染過程の分子機構の解析と、内生プログラムに応じた分裂組織の活性調節機構の解析について、より詳細な分子機構の解析を行う。
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[Journal Article] A plant U-box protein, PUB4, regulates asymmetric cell division and cell proliferation in the root meristem.2015
Author(s)
Kinoshita, A, Hove, C.A., Tabata, R., Yamada, M., Shimizu, N., Ishida, T., Yamaguchi K., Shigenobu, S., Takebayashi, Y., Iuchi, S., Kobayashi, M., Kurata, T., Wada, T., Seo, M., Hasebe, M., Bilou, I., Fukuda, H., Scheres, B., Heidstra, R., and Sawa, S
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Journal Title
Development
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Light-dependent green gall formation induced by Meloidogyne incognita2014
Author(s)
Nishiyama, H., Nakagami, S., Todaka, A., Arita, T., Ishida, T., and Sawa, S.
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Journal Title
Nematology
Volume: 16
Pages: 889-893
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Heterotrimeric G proteins control stem cell proliferation through CLAVATA signaling in Arabidopsis.2014
Author(s)
Ishida, T., Tabata, R., Yamada, M., Aida, M., Mitsumasu, K., Fujiwara, M., Yamaguchi, K., Shigenobu, S., Higuchi, M., Tsuji, H., Shimamoto, K., Hasebe, M., Fukuda, H., and Sawa, S
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Journal Title
EMBO rep.
Volume: 15
Pages: 1202-1209
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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