2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外空間を経由する植物ホルモン動態と機能に関する研究
Project Area | Plant cell wall as information-processing system |
Project/Area Number |
24114010
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 信次郎 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (10332298)
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Project Period (FY) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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Keywords | 植物 / 生理活性 / 植物ホルモン / 生体分子 / 発生・分化 |
Research Abstract |
本研究では、植物に固有の細胞外情報処理機能という視点から、器官間の情報伝達機構を解析することを目的とする。特に、植物ホルモンとアレロケミカルの機能を併せ持つテルペノイド化合物であるストリゴラクトンに着目して研究を行う。根で生産されるストリゴラクトンの一部は根圏に分泌され、アーバスキュラー菌根菌との共生シグナルとして働く一方、一部は地上部へ移行し、枝分かれ等を制御するホルモンとして働く。ストリゴラクトンの移動に関する詳細は不明であり、関与する因子はこれまでにほとんど明らかにされていない。本研究では、質量分析計を用いて、生体内のストリゴラクトンおよび関連化合物の分布や移動性を明らかにすることを目的とする。また、ストリゴラクトンの細胞外空間への移行に関わる因子の特定を目指す。 前年度までの研究により、カーラクトンと呼ばれる化合物が、内生のストリゴラクトン生合成中間体であることを明らかにした。本年度の研究により、カーラクトンがmax1変異体において異常に蓄積していることを明らかにした。この結果から、カーラクトンがシトクロムP450酵素であるMAX1の基質である可能性が示唆された。max1変異体を台木に、max4変異体を接ぎ穂に用いた接ぎ木において、接ぎ穂であるmax4においてカーラクトンが検出されたことから、カーラクトンが根から地上部に移動することが明らかになった。 最近、受容体候補タンパク質であるD14とストリゴラクトン依存的に結合する新たなタンパク質D53が同定された。本年度は、酵母ツーハイブリッド系を用いたストリゴラクトン輸送体のスクリーニングにおいて、D53とD14が酵母細胞内のストリゴラクトン濃度をモニターするセンサーとして利用可能であることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、max変異体の接ぎ木を用いてカーラクトンが根から地上部に移動しうることを明らかにすることができた。また、ストリゴラクトンの細胞外空間への移動に影響を与える因子の探索においては、ストリゴラクトン依存的に受容体タンパク質と結合する新たなタンパク質を用いたストリゴラクトンセンサーが、酵母ツーハイブリッドシステムにおいて機能することが確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、カーラクトンがアポプラストシグナルであるかどうかを明確にするため、導管液中のカーラクトンの存在を追究する。導管液が多量に得られ易いシロイヌナズナ以外の植物の利用も検討する。また、新たな受容体センサーを用いたストリゴラクトン輸送体の探索を行う。
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Research Products
(4 results)