2012 Fiscal Year Annual Research Report
Structure and Function of magnetotactic motility machinery
Project Area | Harmonized supramolecular machinery for motility and its diversity |
Project/Area Number |
24117007
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
福森 義宏 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (60135655)
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Project Period (FY) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 / 細菌 / 細胞骨格 / オルガネラ / 分子モーター / 地磁気 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁性細菌の走磁性は、磁気情報の“Input”を担当するセンサーマシナリー「マグネトソーム」と、運動装置として“Output”を担当する運動マシナリー「べん毛」という2つの超分子複合体の連動によって可能となっている。本年度の研究計画は「全反射蛍光顕微鏡(24年度10月購入費計上)を用いて、磁性細菌の生細胞内での分子の動態を可視化するための実験系(遺伝子組み換え実験)を構築する。」ことである。具体的には、広宿主域ベクター(pBBR111)を用いて、マグネトソーム小胞局在蛋白質MamC及び細胞骨格蛋白質MamKと、GFP及びHalotag融合蛋白質を発現するプラスミドベクターをそれぞれ構築し、接合により磁性細菌へ導入した。これらの融合蛋白質の発現条件を検討した後、全反射蛍光顕微鏡を用い、遮光照明下で蛍光標識されたマグネトソーム小胞および細胞骨格を観察することで、高いSN比で生きたバクテリアの細胞内微細構造を可視化することができた。その結果、MamKは細胞極間を結ぶ直線的な繊維状構造として、MamCは細胞の長軸に沿ったパッチ状の斑点としてそれぞれ観察され、細胞骨格およびマグネトソーム小胞の観察に成功した。さらに、灌流培養用スライドをポリリジンコートし、生細胞を固定して培養液中で長時間タイムラプス観察を行った。その結果、24時間以上にわたり蛍光シグナルを検出することができ、細胞周期を通して細胞内の分子動態を観察するための、実験系を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた「磁性細菌の生細胞内での分子の動態を可視化するための実験系(遺伝子組み換え実験)を構築する」は、全反射蛍光顕微鏡を用いて、MamKは細胞極間を結ぶ直線的な繊維状構造として、MamCは細胞の長軸に沿ったパッチ状の斑点としてそれぞれ観察すること成功したことから、おおむね順調に進展していると判断できる。さらに、24時間以上にわたり蛍光シグナルを検出する系を確立したことからも、本研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
蛍光色の異なる蛍光蛋白質を利用して、複数の蛋白質を同時にラベルし、その相互関係を観察できるように工夫する。さらに、この分子イメージング技術を用いて、細胞内でのマグネトソーム構成蛋白質および細胞骨格構成蛋白質の動態を観察することを推進する予定である。
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