2013 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子転写再構築系による転写サイクル制御機構の解明
Project Area | Integral understanding of the mechanism of transcription cycle through quantitative, high-resolution approaches |
Project/Area Number |
24118003
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
伊藤 敬 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90306275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大熊 芳明 富山大学, 医歯薬学研究部, 教授 (70192515)
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Project Period (FY) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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Keywords | ヒストン翻訳後修飾 / ユビキチン化 / メチル化 / リン酸化 / 遺伝子転写 |
Research Abstract |
遺伝子転写機構の詳細を明らかにするため、本研究は転写サイクルとしてのヒストン翻訳後修飾の相互クロストーク、転写調節因子および共役因子による遺伝子転写開始機構の解明、ネットワーク制御により引き起こされる生命現象の解明を目的としている。 平成25年度は、培養細胞にヒストン翻訳後修飾を模倣した変異ヒストンを導入し表現形を調べた。 平成24年度の実績、すなわちヒストンH2Aユビキチン化は細胞周期の間期に亢進し、ヒストンH2AのC末端リン酸化は細胞周期の分裂期に亢進すること、さらに試験管内のアッセイを用いてヒストンH2AのC末端ユビキチン化とヒストンH2AのC末端リン酸化は相互に抑制し合うことに基づき、細胞培養を用いてこれらの意義の解明を行った。 ヒストンH2AのC末端リン酸化を模倣する変異ヒストンである120番目のトレオニンをアスパラギン酸にかえた変異T120Dは正常細胞の様にふるまうNIH3T3に導入すると癌化トランスフォームすることを明らかにした。この癌化細胞をヌードマウスに移植すると腫瘍を形成した。ヒストンの翻訳後修飾自体が癌化を引き起こすのを明らかにしたのはこの実験がはじめてである。遺伝子転写かく乱(エピジェネティックな不安定性)のためと考えられるが引き続き詳細なメカニズムを明らかにしていく。 ヒトの癌腫を用いてヒストンH2AのC末端120番目のトレオニンをアスパラギン酸に変換する遺伝子変異がないかを検索した、現在のところ検出できていない。今後はさらにヒト癌での検索を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は当初研究目的をほぼ達成しており順調に進展していると考えられる。試験管内クロマチン再構築と精製蛋白を用いて明らかにした現象を細胞レベルの実験でも確認した。すなわちヒストンの翻訳後修飾がネットワークにより癌化を引き起こすことを明らかにした。 またヒストンの変異により細胞レベルで癌化を引き起こすことを明らかにしたのはインパクトのある研究であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
試験管内の評価方法は詳細なメカニズムを解明するのに必須の技術である。平成25年度は細胞レベルでもヒストンの翻訳後修飾が需要であることを明らかにした。平成26年度以降はNHK-1,USP21のノックアウトマウス、ヒストン翻訳後修飾を模倣した変異ヒストンを導入した遺伝子改変マウスを作製しその影響を調べたい。 これらの実験により、アミノ酸残基の翻訳後修飾とクロストークに焦点を絞り、遺伝子転写活性化におけるヒストンの翻訳後修飾の重要性を明らかにできると考える。
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Research Products
(3 results)