2017 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical Analysis and Rational Design of Catalytic Activity of Flexible Molecules
Project Area | Science on Function of Soft Molecular Systems by Cooperation of Theory and Experiment |
Project/Area Number |
25104004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 重彦 京都大学, 理学研究科, 教授 (70402758)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | 光受容体タンパク質 / シグナル伝達タンパク質 / 分子シミュレーション / 酵素活性 / QM/MM 法 |
Outline of Annual Research Achievements |
チャネルロドプシン C1C2 の光活性化機構の解明 分子動力学シミュレーションと QM/MM 自由エネルギー構造最適化法である QM/MM RWFE-SCF 法を用いて、暗状態(D0)、第一中間状態(P1)、及びイオンチャネル開状態前駆体である eP2 状態の構造変化を明らかにし、それに伴うタンパク質内部の水分子の分布を、A01 班の吉田との共同研究により解析した。その結果、eP2 状態で実験結果を良く説明する顕著な構造変化が観測され、それに伴い形成される、これまで提案されていたものとは異なる新たなイオンチャネル経路を明らかにした。
Ras-GAP シグナリングタンパク質複合体とその癌変異体の酵素活性機構の解明 Ras-GAP タンパク質複合体は、複合体形成により活性化される GTP 加水分解反応により、細胞分化のシグナル伝達経路でスイッチの役割を果たす。本研究では QM/MM RWFE-SCF 法を用いて、Ras-GAP タンパク質複合体及びその癌変異体に対して、酵素反応の遷移状態を決定し、酵素反応機構を解析した。その結果、天然型に対しては、遷移状態形成に伴うタンパク質複合体の大規模な構造変化及び活性部位での水分子の排除を観測した。一方、L902I 癌変異体では、そのような水分子の排除が観測されず、反応活性化障壁も天然型に比べて高くなることを明らかにした。
MEK シグナル伝達タンパク質のリン酸化による酵素活性制御機構 MEK シグナル伝達タンパク質は、自身の活性化部位のセリン残基にリン酸化を受けると、その ATPase 活性が上昇することが知られている。本研究では、QM/MM RWFE-SCF 法を用いて、その活性化機構を明らかにした。その結果、リン酸化による結合部位の構造変化により、配位する Mg2+ イオンとの相互作用が変調し、反応障壁が下がることを明らかにした。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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