2016 Fiscal Year Annual Research Report
柔らかな連続多点配位性を持つ有機多核金属複合体の創成
Project Area | Science on Function of Soft Molecular Systems by Cooperation of Theory and Experiment |
Project/Area Number |
25104010
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村橋 哲郎 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (40314380)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | 合成化学 / 錯体化学 / 超分子化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、π-共役系不飽和炭化水素類と金属クラスターの間に形成される分子内界面型の多点連続π-配位結合に焦点を当て、その精密構築方法の開発と、結合組み替え挙動の解明を進めた。既に前年度までに、長鎖π-共役系ポリエン類と金属鎖を多点連続π-配位結合を介して連結することに成功している。また、ポリエニル位の脱プロトン化を経て共役ポリエン配位子が共役ポリエニル配位子へと変換することも見出している。平成28年度では、共役ポリエニル金属鎖複合体の性質解明を進めた結果、熱反応条件下でポリエニル配位子が金属鎖上で面反転を起こすことを明らかにした。さらに、二次元性連続π-配位結合の結合組み替え性質について解明を進めた結果、金属シートに多点π-配位結合を介して結合した芳香族配位子が他の芳香族配位子と交換する反応が二段階機構で進行することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
拡張π-共役系不飽和炭化水素類と金属クラスターの間に形成される多点連続π-配位結合が柔軟に結合組み替えを起こすことをいくつかの有機-金属クラスター複合分子を用いて解明した。よって、本研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに得られている連続多点π-配位結合に関する知見に基づき、動的構造変換挙動の解明をさらに進めていく。中性、カチオン性、およびアニオン性拡張π-共役系配位子を用いて連続多点π-配位結合の形成および性質の解明をおこなう。
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