2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Unification and Development of the Neutrino Science Frontier |
Project/Area Number |
25105006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 光廣 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (90183889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助教 (20377964)
渋谷 寛 東邦大学, 理学部, 教授 (40170922)
青木 茂樹 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (80211689)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | ニュートリノ / 原子核乾板 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来比3.5倍のスケールを持った原子核乳剤の製造装置(量産機)を立ち上げ、実際の実験・テスト実験の為の製造を開始した。量産機で製造した乳剤の性能評価も行ない従来の製造装置で制作した乳剤と遜色ない性能を示すことを確認した。 乳剤の開発に関しては、経時変化特性の改善を中心に検討を行なった。特に注目したのは潜像退行という記録された飛跡情報が時間とともに消滅してゆくという飛跡の記録性に関する性能についてであり、実験室環境だけではなく宇宙線実験のような野外環境で、一時的とはいえ温度が+50℃にも達する様な環境への対応である。ビーム照射後に保存する温度・湿度環境を変えて試験を行ない。乾板の湿度を10%以下に調湿し、湿度を保持できるパックに格納することによって平均気温+35℃でも一月以上飛跡を保持できる手法を開発した。また一つの結晶中に生成する信号量を大きくすることによって潜像退行特性を改善できると考え、従来標準として制作してきた200nmサイズの結晶より大きなサイズ350nmの原子核乳剤を開発し、特性の評価を開始した。 実際の実験での使用に関しては、JPARCで低エネルギーニュートリノ反応を研究するための実験のテストとしてT60実験をA01班とともに立ち上げ、T2K実験のニアー検出器のサイトで照射を行ない、その解析を開始した。また気球搭載型の原子核乾板を用いた高精度γ線望遠鏡プロジェクトGRAINEにむけて乳剤・フィルムの量産を開始し、その評価を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原子核乳剤の自前製造は着実に進歩している。またA01班と共同でテスト実験を立ち上げるなど、この領域の融合効果も生まれてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
原子核乾板を用いた検出器のさらなる特性の改善に向けて、結晶の改良、フィルム製造手法の改良を重ねて、目的とする超高解像度ニュートリノ検出器の開発を推進してゆく。ニュートリノコヒーレント散乱の検出に向けた実験の検討も今年度進めてゆく。実際のビームとしてJPARC、CERNーPS/SPSのビームを使用したテスト実験を推進し、検出器の性能評価を継続する。
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Research Products
(33 results)