2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Exploration of nanostructure-property relationships for materials innovation |
Project/Area Number |
25106005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 功 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70183861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉矢 真人 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00399601)
津田 宏治 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (90357517)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | ナノ構造情報 / 第一原理計算 / データマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はナノ構造情報を,新規な材料設計・創出に有効活用するために,マクロ情報とのギャップを埋める学術的枠組みを作り出すことである.そのために,以下の3つの研究項目を実施している.平成26年度においては,以下のことを実施した. 研究項目Ⅰ ナノ構造情報を統計熱力学に基づいて統合・整理する手法の開拓と応用 まず,線形回帰分析手法の一つであるLASSO回帰を用いたLASSOポテンシャルの開発を行った.これは多数の第一原理計算を機械学習することで構築したものであり,現在広く利用されているEAMポテンシャルに比べて,広いエネルギー範囲で精度を担保するものである.このような手法を用いることにより,任意方位の表面,界面などに適用し,有限温度での非調和振動の効果も取り入れたダイナミクスや平均エネルギーなどを第一原理計算の精度で評価し,ナノ構造情報とマクロ情報のギャップを埋めることができる. 研究項目Ⅱ 材料探索のためのデータマイニング技法の開拓と応用 今年度は,リチウムイオン電池の正極材料の充放電サイクル特性の向上を目指した材料探索を行った.具体的には,正極材料の候補となりうる様々な材料について,体積変化などを網羅的に理論計算し,データマイニング技法を用いることにより,高いサイクル特性を持つ材料を予測した.その結果,適切な記述子を選択することにより,高精度な物性予測が可能であることがわかった. 研究項目Ⅲ 特性予測の逐次更新のためのモデル実験の実施 研究項目Ⅱの第一原理計算とデータマイニング技法から予測された良い充放電サイクル特性を持つ正極材料の候補について,合成実験を行い,サイクル特性を評価した.その結果,充放電サイクルが従来の約6倍となるリチウムイオン電池の正極材料を発見することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記述したように,当方の計画通り,3つの研究項目についてそれぞれ進展があった。 それに加えて,当初想定していなかったクリギング手法の適用いよる効率的な材料探索手法の開発を行うことができた。 さらに,第一原理計算に基づいた原子間ポテンシャルについても,想定以上の精度を得ることができた。 このような理由から,当初の計画以上に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の計画を継続して行うとともに,同じく26年度より参加した公募班についての材料開発のテーマと連携し,具体的な材料研究のバラエティを拡張させる。
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