2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Exploration of nanostructure-property relationships for materials innovation |
Project/Area Number |
25106005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 功 京都大学, 工学研究科, 教授 (70183861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉矢 真人 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (00399601)
大場 史康 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (90378795)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | ナノ構造情報 / 第一原理計算 / データマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
●研究項目Ⅰ ナノ構造情報を統計熱力学に基づいて統合・整理する手法の開拓と応用 まず,線形回帰分析手法の一つであるLASSO回帰を用いたLASSOポテンシャルの開発および応用を行った。これは多数の第一原理計算を機械学習することで構築したものであり,現在広く利用されているEAMポテンシャルなどに比べて,広いエネルギー範囲で精度を担保するものである。このような手法を用いることにより,任意方位の方面,界面などに適用し,有限温度での非調和振動の効果も取り入れたダイナミクスや平均エネルギーなどを第一原理計算の精度で評価し,ナノ構造情報とマクロ情報のギャップを埋めることができる。 ●研究項目Ⅱ 材料探索のためのデータマイニング技法の開拓と応用 今年度は,熱電材料の新規物質探索を目指し,低格子熱伝導率材料の探索を行った。具体的には,代表的な化合物い大して,第一原理非調和格子振動計算を行い,緩和時間近似のもとに,ボルツマン方程式を解くことにより,熱伝導率の評価を行った。そのデータをもとに,ガウシアンプロセスに基づいた材料探索をすることにより,新規熱電材料の候補となりうる化合物を提案した。 ●研究項目Ⅲ 特性予測の逐次更新のためのモデル実験の実施 第一原理計算を用いた網羅的エネルギー計算により,これまでに合成されたことのないスズ化合物の形成エネルギーが負となることを予測した。この予測された新規スズ化合物について合成実験を行い,合成することに成功した。また,合成されたスズ化合物について光触媒特性を評価することにより,新しい光触媒材料としての可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り,3つの研究項目についてそれぞれ進展があった。 それに加えて,当初想定していなかった第一原理計算に基づいた原子間ポテンシャルについても,想定以上の精度を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.ナノ構造情報を統計熱力学に基づいて統合・整理する手法の開拓と応用 第一原理計算と機械学習手法に基づき,高精度原子間ポテンシャルを構築する手法の提案を行った.具体的には,二体間記述子の交差項や三体間記述子を導入することにより,典型金属だけでなく,遷移金属においても高精度な原子間ポテンシャルを構築することが可能となった.その他にも,第一原理計算から常磁性不規則合金のフォノン分散関係を評価するBand-unfolding法を提案した[Y. Ikeda et al. PRB 95, 024305 (2017)].
2.材料探索のためのデータマイニング技法の開拓と応用 スズ酸化物系において,様々な結晶構造プロトタイプについての第一原理計算を実施し,新規化合物が生成されることを予測した.さらに,予測された化合物の合成を行い,良い光触媒特性を示すことを明らかにした [H. Hayashi et al., Adv. Sci., 1600246 (2016),図1].また,機械学習の分類手法を用いて,無機結晶データベースの化学組成のみから新規化合物組成予測を行う方法を提案した.得られたランキング上位の候補組成ほど,合成可能な化合物が存在する可能性が高く,本研究の方法を用いることにより,新規化合物の発見が大幅に加速されると期待される.これらの結果は,第一原理計算とデータマイニング技法による手法が,新規材料探索に有効であることを実証したものである.
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[Journal Article] Discovery of a Novel Sn(II)-Based Oxide beta-SnMoO4 for Daylight-Driven Photocatalysis2017
Author(s)
Hayashi, H, Katayama, S, Komura, T, Hinuma, Y, Yokoyama, T, Mibu, K, Oba, F and Tanaka, I
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Journal Title
ADVANCED SCIENCE
Volume: 4-1
Pages: 1600246
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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