2014 Fiscal Year Annual Research Report
ダストに隠された宇宙の物質進化を暴く 極低温SOI赤外線イメージングの開拓
Project Area | Interdisciplinary research on quantum imaging opened with 3D semiconductor detector |
Project/Area Number |
25109005
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
和田 武彦 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (50312202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 英宏 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30301724)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | 遠赤外線検出器 / 極低温 / 集積回路 / 画像センサー / テラヘルツ / FD-SOI CMOS / 天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、シリコン基板支持型ゲルマニウム検出器と9x9素子読みだし集積回路の開発を行ない、さらに、それらを組み合わせ画像センサーとするための積層実験を行なった。また、検出器への不純物ドープ濃度を最適化することで、目標の波長200ミクロンでの感度向上に成功した。 シリコン基板によるゲルマニウム検出器の支持は、シリコン製の読みだし回路と熱膨張係数をそろえ冷却時の破損を回避するため、また、高感度化のために薄層化された検出器層を保持するため、多画素画像センサー実現に必須の技術である。その有効性を材料力学計算により検証し、また、実際に常温接合技術によりサンプルをつくり、極低温に冷却しても支持構造が破壊しないことを確かめた。 読みだし集積回路との積層には、従来のインジウムによるバンプではなく、冷却時に問題となる接着剤が不要なナノ粒子による金コーンバンプを用いることを決断した。極低温画像センサーへの応用は初めてとなるため、2015年度に行なう予定を早めて今年度積層実験をおこなった。 また、不純物(ガリウム)濃度を従来の1E16/ccから8E16/ccに高めることで、有効波長を160ミクロンから目標の200ミクロンを越え240ミクロンまで伸長できることを実験により確認した。 シリコン基板支持を用いたゲルマニウム画像センサーのコンセプトを含むこれまでの開発成果をまとめ、カナダ・モントリオールで開かれた国際学会"Millimeter, submillimeter, and Far-Infrared Detectors and Instrumentation for Astronomy VII"にて発表した。また、シリコン基板支持型ゲルマニウム検出器の開発と不純物ドープ濃度の最適化による有効波長の伸長について、大阪大学で開かれた日本天文学会春季年会にて、それぞれ発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり、シリコン基板支持型ゲルマニウム検出器の開発をおこなった。研究上一番のリスクと考えられる検出器と読み出し回路の積層に関しては、予定より早く方式決定を行えたため、当初の予定を前倒しして実験を行った。一方、高性能の透明電極を作成するためのMBE装置の改良が予算不足により一部遅れており、2015年度に完成させることにした。
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Strategy for Future Research Activity |
前倒しして作成した積層型画像センサーの評価を進め、Auコーンバンプによる積層を実証する。後回しとなったMBE装置の改良を完成し、高性能な透明電極を実装する。その他は当初の計画どおり、着実に研究を進める。
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[Presentation] シリコン基板に保持されたゲルマニウム Blocked Impurity Band型遠赤外線検出器の開発2015
Author(s)
公地千尋, 和田武彦, 長勢晃一, 山本啓太, 馬場俊介, 金田英宏, 服部和生, 田中琴未, 花岡美咲, 鵜飼壮太, 鈴木仁研, 渡辺健太郎
Organizer
日本天文学会 2015年春季年会
Place of Presentation
大阪大学
Year and Date
2015-03-18 – 2015-03-21
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[Presentation] EVALUATION OF FAR-INFRARED BIB-TYPE GE DETECTORS FABRICATED WITH THE SURFACE-ACTIVATED WAFER BONDING TECHNOLOGY2014
Author(s)
Misaki Hanaoka, Hidehiro Kaneda, Shinki Oyabu, Yasuki Hattori, Kotomi Tanaka1, Takehiko Wada, Toyoaki Suzuki, Kentaroh Watanabe, Koichi Nagase, Shunsuke Baba, Chihiro Kochi,
Organizer
THE UNIVERSE IN THE LIGHT OF AKARI and Synergy with future Large Space Telescopes
Place of Presentation
Oxford, UK
Year and Date
2014-07-09 – 2014-07-11
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[Presentation] Development of Ge BIB far-infrared image sensors with FD-SOI CMOS ROIC2014
Author(s)
Takehiko Wada, Hidehiro Kaneda, Kentaroh Watanabe, Toyoaki Suzuki, Yasuo Arai, Hirokazu Ikeda, Hidehiko Nakaya, Morifumi Ohno, Koichi Nagase, Yasuki Hattori, Koudai Kobata, Shunsuke Baba, Chihiro Kochi, Kotomi Tanaka, Misaki Hanaoka
Organizer
Millimeter, submillimeter, and Far-Infrared Detectors and Instrumentation for Astronomy VII
Place of Presentation
Montreal, Canada
Year and Date
2014-06-24 – 2014-06-27
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