2015 Fiscal Year Annual Research Report
X線自由電子レーザーによる超高速ナノ構造解析用検出器
Project Area | Interdisciplinary research on quantum imaging opened with 3D semiconductor detector |
Project/Area Number |
25109007
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
初井 宇記 国立研究開発法人理化学研究所, > 放射光科学総合研究セン ター, チームリーダー (40332176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 利徳 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 情報部門, 研究員 (10570187)
寺西 信一 兵庫県立大学, 付置研究所, 特任教授 (20738893)
工藤 統吾 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学総合研究センター, 研究員 (40372148)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | X線検出器 / 集積回路 / 超高速ダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度はカメラシステムを実際に予備実験に使用し、カメラシステムの完成度を向上させるとともに実際に超高速ダイナミクス研究に展開するための予備実験を行った。 本年度は、その結果をもとに下記改良を加えた。 1)画像データの前処理プログラムの開発 信号電荷はフォトダイオード中で拡散し、複数のピクセルにまたがって観測される。この効果を前処理段階で取り込んだ解析を行わないと、目標としていたデータの統計精度を実現できないことが分かった。そこで、種々の前処理アルゴリズムの性能を評価した。その結果、ドロプレットアルゴリズムが最も適切に前処理を実行できることが分かった。本研究で開発したセンサの場合、このドロプレットアルゴリズムを改良することで理論的限界に近い統計精度を得られることが分かった。 さらに、この前処理プログラムをカメラ本体の制御プログラムに導入し、実験中に前処理をリアルタイムに近い速度で実施できる自動化ソフトウェアを整備した。その結果、超高速ダイナミクス研究の一つてある時間分解蛍光X線分析実験の予備実験をSPring-8で行い、実際に必要とされる統計精度が得られるという実験結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
自動化ソフトウェアが並列計算処理で実装できる見通しが立ち、当初計画のFPGAへの実装がふようになった。この結果、より広範囲の実験に迅速に対応できる見通しが立った。 また、センサの適用範囲をSPring-8でのミリ秒から秒オーダーの遅いダイナミクス測定にも適用し、従来技術に比べて飛躍的に良いデータが得られることを示すことができた。また領域内のD01斑に提供し、Tender X-ray領域の高分子ダイナミクス実験でもよい成果が得られることが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの方針に従って、確実に成果を創出する。また今年度はセンサのピクセル構造について論文を発表する予定とする。
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