2013 Fiscal Year Annual Research Report
放射光を用いた空間階層構造とダイナミクス研究のためのイメージング
Project Area | Interdisciplinary research on quantum imaging opened with 3D semiconductor detector |
Project/Area Number |
25109008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
岸本 俊二 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (00195231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊井 玲児 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (00356924)
五十嵐 教之 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (80300672)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | SOIセンサー / X線検出器 / 計数型TEG / 放射光実験 / 軟X線検出 |
Research Abstract |
1)H25年度交付申請書の研究実施計画で「50μm角ピクセル、20mm×20mmの2次元パルス計数型検出器システムを製作、領域を選択して1μs・連続8枚(または10-20μs・連続64枚)、16ビットでデータをメモリに格納」としたが、計数型SOIセンサーに技術的課題が残されていたため、計数型TEG(Test Element Group)の設計から開始した。ピクセルサイズ:64μm角、2mm×2mmサイズ、32x32アレイを有するSOIによる計数型TEGについて、計画研究A01:新井らの協力を得て回路構成を決め、エーアールテック㈱に設計の実作業を委託した。6mm角TEGチップとして2014年1月のMPWランに投入した。「double SOI」仕様によりセンサーで検出される電荷の回路部への影響を避けてアレイ全体の安定動作を目指すものである。P型ウェハ仕様、空乏層厚300μm、閾値1入力のディスクリミネータ、10MHz・16ビットのカウンタからなる回路から構成される。ピクセル回路内でのクロストーク対策、各ピクセルの閾値ばらつきへの対応を課題として、いくつかの回路パラメータによるテストができるように設計されている。 2)H25年度研究実施計画の2点目にあげたSOI検出器の応用を速やかに進めるため、計画研究C01で開発中の積分読出し型SOIセンサーによる「SOPHIAS検出器」のPFビームラインでのテスト実験実施の検討を行うとともに、今後の放射光ビームラインでのSOIセンサーや検出器システムのテストのために必要な装置の購入、整備を進めた。放射光ビーム強度モニター系や自動ステージ、軟X線利用実験に向けた真空排気装置、校正用検出器や電子回路評価のためのパルス発生器、オシロスコープなどと1)のTEG評価に備えた信号処理ボード、ソフトウェア購入を含む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2次元パルス計数型検出器システムを製作するには至っていない。研究計画を立案した時点での計数型SOIセンサーの技術的到達点の理解が十分でなかったためである。H25年度研究開始当初から計数型SOIセンサー開発および積分読出し型センサーの進展状況について調査をあらためて行い、目標設定の見直しを行った。ピクセル間クロストークなどを解決するため、計数型試験用チップ製作による検討から行うこととなった。計数型センサー開発の遅れは、SOI検出器の放射光実験への応用を早期に行うことも困難とするが、開発が先行する積分読出し型センサーによる2次元検出器の放射光実験への導入を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)H25年度に設計・MPWランに投入した2次元パルス計数型SOIピクセルセンサー用TEG(試験用チップCPIXPTEG1:64μm角ピクセルサイズ、32x32アレイを有する)の特性評価を行って、技術的課題の解決をはかる。並行してセンサーチップからのデータ収集システムおよびソフトウェアを使ってX線センサーとしての性能を放射光X線ビームによって、すみやかに評価する体制を整える。業者委託を含めたチップ特性評価および評価システム製作はH26より雇用する研究員(特任助教)(橋本)を中心にA01,A02研究班と協力して進める。このTEGの評価結果をもとに、実用的な計数型ピクセルセンサーの設計を進める。 2)放射光利用研究への応用を早期に図るため、計画研究C01班で開発が進められている積分読出し型SOIセンサーによるSOPHIAS検出器システムを借用して放射光科学研究施設の新アンジュレータビームラインBL-15Aなどに導入・設置、小角散乱やX線回折・反射率のテスト測定を実施し、応用のための具体的検討を行う。
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Research Products
(1 results)