2014 Fiscal Year Annual Research Report
放射光を用いた空間階層構造とダイナミクス研究のためのイメージング
Project Area | Interdisciplinary research on quantum imaging opened with 3D semiconductor detector |
Project/Area Number |
25109008
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
岸本 俊二 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (00195231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊井 玲児 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (00356924)
五十嵐 教之 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (80300672)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | SOIセンサー / X線検出器 / 計数型TEG / X線小角散乱 / X線回折実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)計画研究C02で開発された「SOPHIAS検出器」:積分読み出し型SOIセンサーによるX線検出器システムの放射光利用研究への導入を行った。PFビームラインBL-14A,8A,15A2でのテスト実験を行うとともに、その実験のために必要な装置の購入、整備を進めた。BL-14Aでは検出器システムの露光時間と雑音の影響、空間分解能などを確かめたうえで、BL-8Aでは酸化セリウム粉末を使ったX線回折像の記録、BL-15A2ではコラーゲンや高分子材料のブロックコポリマーを試料とするX線小角散乱像の取得を初めて行なった。ビームタイムは十分な期間を確保できなかったものの、記録された入射光子数の評価や空間分解能の高さを示すデータを得ることができた。その結果をH27年1月に開催された日本放射光学会で発表した。 2)H25年度に計画研究A01:新井らの協力を得てSOI技術による計数型センサーのためのTEGの設計とMPWランへの投入(2014年1月)を行った。2次元パルス計数型X線検出器システムを開発するためのもので、「ダブル SOI」仕様によりセンサーで検出される電荷の回路部への影響を避けてピクセルアレイ全体の安定動作を目指すものであった。このTEGについて、これまでの設計と同様な構造である「シングルSOI」仕様のTEGは11月までに入手できたものの、「ダブルSOI」仕様のTEGはプロセス段階の不具合のため入手がH27年2月末となった。そのためH26年秋に予定していた回路特性の評価と年度末までに予定していたX線ビームによるセンサー特性の評価が実施できなかった。「シングルSOI」仕様のTEGについて回路特性評価を進めるとともに、KEKで回路評価を行なうための測定システム整備とソフトウェア開発を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウェハ加工プロセスが遅れたため計数型SOIセンサー用TEG(CPIXPTEG1)の入手が遅れた。特にセンサーへの信号電荷蓄積による回路動作への影響を軽減する「ダブルSOI」構造を採ったTEGの製作が半年以上遅れ、H27年2月末に納入されたため、当初H26年度後半に予定していたTEGの回路要素の評価およびX線センサーとして放射光ビームを使った評価実験等が実施できなかった。H27年度で前半での評価実験の実施を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 2次元パルス計数型SOIピクセルセンサー用TEG(試験用チップCPIXPTEG1:64μm角ピクセルサイズ、32x32アレイを有する)のうち、製作が遅れていたダブルSOI構造を有するTEGチップの回路特性評価を外部委託とあわせてH27年度前半に行う。並行してセンサーチップからのデータ収集システムおよびソフトウェアを使ってX線センサーとしての性能を放射光X線ビームによって評価する。実用的な計数型ピクセルセンサーの開発のため、ダブルSOI構造を採用したTEGの評価結果をもとに特任助教・橋本を中心にA01,A02研究班と協力してチップ特性評価、改良設計を進める。その設計に基づいてH27年度後半に予定されるMPWランへの投入を行なう。 2)計画研究C01班で開発された積分型SOIセンサーによるSOPHIAS検出器システムを放射光科学研究施設の新アンジュレータビームラインBL-15A2、X線回折実験ステーションBL-8A/8Bに導入して、小角散乱やX線回折の測定を行う。SOIセンサーの特性である高精細ピクセル(30μmサイズ)を活かした空間分解能の高い測定や時間分解実験を試みる。
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Remarks |
科研費・新学術研究「3次元半導体検出器で切り拓く新たな量子イメージングの展開」のホームページのうち計画研究D01担当ページ。
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Research Products
(2 results)