2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Analyses and regulation of germline epigenome |
Project/Area Number |
25112007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊川 正人 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20304066)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | 実験動物 / 人工制限酵素 / 遺伝子組換え / ノックアウト / 受精 / 胎盤 / 精子形成 |
Research Abstract |
本課題は、エピゲノム編集システムの開発と、それを応用した受精とエピゲノム変化の解析の2つを大きな柱にして研究を進める。サブテーマを設けて目標を明確化にし、連携研究者4人を配置することで、リスクの軽減と問題点の早期発見・解決を可能にする。H25年度は、主に1)について注力し、研究の進展に応じて2)を開始した。 1)エピゲノムの編集とライブイメージングシステムの開発:2013年1月に報告された新しいゲノム編集酵素CRISPR/Cas9システムの有効性について検討した結果、マウス受精卵にガイドRNA(gRNA)とCas9タンパク質をコードするプラスミドを注入することで、非常に効率良く遺伝子破壊したマウスを作製できることを見出し、報告した。 なおTALEによるエピゲノム編集については、哺乳類ゲノム編集にはTALEよりもCRISPR/Casが良いことを見出したため、TALEを用いた研究については中止し、CRISPRを用いた手法に変更することとした。 2)受精とエピゲノム変化:減数分裂を終えた精子核が凝縮される過程で、プロタミンに置換されないクロマチン領域が存在する。H25年度は、CRISPR/Casシステムを用いてプロタミン遺伝子を破壊したマウスを作製した。 またRNAseqによりnon-coding RNAや小分子RNAを中心に関連因子をスクリーニングした。さらにいくつかの因子についてノックアウトマウスを作製して個体レベルでの機能解析を開始した。また卵子活性化機構については、精子由来の有力候補因子をノックアウトすることに成功し交配により実験用動物を増やしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい人工制限酵素であるCRISPR/Casシステムの出現により、TALEとの比較実験などが必要となった。その結果、我々は早期での切り替えに成功し、CRISPR/Casを使った迅速ノックアウトマウス作製法の開発・発表に成功するなど、予想外の成果を得た。比較実験等で生じた遅れは、十分に取り戻せると考えている。 精子形成・受精・胎盤形成に関連するエピゲノム関連因子をいくつか同定することに成功しており、また上記のCRISPR/Casを用いた手法によりノックアウトマウスの作製にも成功していることから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
TALEからCRISPR/Casシステムへの大幅なツール変更となったが、それ以外の計画についてはおおむね順調に進展している。むしろ遺伝子ノックアウトマウスや点変異マウスの作製が迅速・簡便になったことから、より個体レベルでの実験に重点をおいた研究を進める予定である。また遺伝子破壊だけでなく、点変異によるアミノ酸置換なども可能となったメリットを最大限に活用する。
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[Journal Article] Feasibility for a large scale mouse mutagenesis by injecting CRISPR/Cas plasmid into zygotes.2014
Author(s)
Mashiko D, Young SA, Muto M, Kato H, Nozawa K, Ogawa M, Noda T, Kim YJ, Satouh Y, Fujihara Y, Ikawa M.
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Journal Title
Dev Growth Differ
Volume: 56(1)
Pages: 122-129
DOI
Peer Reviewed
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