2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Multidimensional Exploration of Logics of Plant Development |
Project/Area Number |
25113010
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
平井 優美 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (90415274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 敦史 国立研究開発法人理化学研究所, 主任研究員研究室等, 主任研究員 (10304726)
及川 彰 山形大学, 農学部, 准教授 (50442934)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | 代謝ネットワーク / 発生 / メタボロミクス / 数理モデリング / 分子遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
シロイヌナズナのチトクロムP450機能破壊株の1つであるcyp77a4株で、オーキシン関連変異体に似た子葉のパターニング異常が見られた。cyp77a4株では、胚においてのみオーキシン応答性に異常が認められた。またCYP77A4は小胞体に関連する膜に局在した。CYP77A4は脂肪酸のエポキシ化に関与するという既報も考慮し、CYP77A4を介した代謝経路が胚における極性の形成に寄与していると結論した(Kawade, Li et al., Development, to be re-submitted)。 セリン生合成経路のひとつであるリン酸化経路の初発酵素PGDHは、シロイヌナズナでは3つの遺伝子AtPGDH1, 2, 3にコードされる。我々は、AtPGDH1及び3はセリンによるフィードバック阻害のほか、ホモシステインなど5種のアミノ酸による活性化を受けることを示した(Okamura & Hirai (2017) Sci. Rep.)。また、ゼニゴケでは1遺伝子MpPGDHによってコードされ、そのcDNAは大腸菌PGDH欠損株を相補すること、またMpPGDHはアミノ酸による活性制御を受けないことを明らかにした(投稿中)。 化学反応ネットワークの構造から、酵素活性の変化に対する代謝物濃度の応答を予測する数理理論を開発した(Okada & Mochizuki, (2016) Phys. Rev. Lett.)。これを用いて、スクロース合成におけるピロリン酸過剰蓄積の効果を解明した。ラクトース合成経路のメタボローム解析と理論を組み合わせることで、未知の化学反応の存在を予測できた(投稿準備中)。また、導管細胞の表層微小管の周期パターン形成メカニズムを実験と数理モデルの組み合わせにより解明した。周期パターン形成を実現する数理的条件を求め、必要な分子間相互作用を予測した(査読中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに論文発表、投稿に至ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
代謝による発生の制御に関して一定の知見を得た。今後も共同研究を通じて、当該研究をさらに発展させる。
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Research Products
(20 results)