2016 Fiscal Year Annual Research Report
Nanoanalysis of the molecular mechanism of chromatin functions using single molecule imaging in vio and super-resolution microscopy
Project Area | Dynamic chromatin structure and function |
Project/Area Number |
25116007
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
徳永 万喜洋 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (00192659)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | 生物物理 / 超解像イメージング / 細胞情報・動態 / クロマチン動構造 / ナノ定量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
生細胞多色1分子イメージング光学顕微鏡の超解像ナノ解析法の開拓により、新学術研究領域テーマ「動的クロマチン構造と機能」の新たな展開を計り、クロマチン動作原理解明することを目的としている。領域内の共同研究を展開して、クロマチン動態解明を行った。 1.生細胞多色1分子イメージング超解像顕微鏡と、多色超解像ナノ解析・定量化法の改良。クロマチン動作原理解明のための超解像顕微鏡システムのための高解像度化と、多種顕微鏡法への対応を進めた。多色位置ずれ補正の高精度化、多色超解像ナノ解析方法の高速化を行うとともに、1分子軌跡追跡を用いた分子動態の新しい定量解析方法を開発し、従来求めることができなかった反応速度定数の定量を単色の1分子イメージング画像のみから行うことを可能にした。 2.ヌクレオソーム生細胞動態。1分子超解像軌跡追跡と、FRAP法(木村班と共同研究)と融合解析し、ヌクレオソーム動態に関する新しい描像研究をさらに進めた。 3.ヒストンバリアント生細胞動態。ヒストンH2・H3バリアントをGFP標識した生細胞の1分子観察と超解像法により、動態・超解像研究を転写状態との関係解明を主眼として推進した(胡桃坂班・木村班・大川班と共同研究)。 4.クロマチンリモデリング複合体生細胞動態。1分子観察とFRAP法により、アクチン関連分子ArpやIno80のクロマチンリモデリングタンパク質の定量解析をさらに進め、動態の違いを明らかにし、ATPの作用機序解明と構成分子の役割解明を推進した(原田班・木村班と共同研究)。 5.高精度超解像解析のための脂質二重膜構築法。開発済みの流動性を確保して基板上に分子・細胞を保持する簡便な方法を用い、シグナル伝達分子動態やクロマチン構造変化の高精度計測を推進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
超解像ナノ解析法の新規開拓と細胞核動態観察最適化による、クロマチン構造の細胞レベルin vivo分子動態・要素間相互作用・核内配置の動態解明という目的を達成すべく、本年度の研究計画5項目を推進した。「1.生細胞多色1分子イメージング超解像顕微鏡と多色超解像ナノ解析・定量化法の開発改良」に関しては、高解像度化・多種顕微鏡法への対応を中心に、顕微鏡システムを改良した。多色位置ずれ補正の高精度化、超解像解析方法の高速化に加え、1分子軌跡追跡を用いた分子動態の新しい定量解析方法を開発し、従来求めることができなかった反応速度定数の定量を可能にした。「2.ヌクレオソーム生細胞動態」と「3.ヒストンバリアント生細胞動態」においては、1分子超解像法とFRAP法の融合解析に加え、新規法として開発した上記の1分子軌跡追跡を用いた解析方法により研究を進めた。「4.クロマチンリモデリング複合体生細胞動態」では、クロマチンリモデリングINO80複合体を構成する種々のタンパク質と変異タンパク質を用い、動態・超解像解析を推進した。「5.高精度超解像解析のための脂質二重膜構築法」では、開発済みの簡便に脂質二重膜を構築する方法により、高精度な動態定量研究と構造変化計測研究を進めた。いずれも順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1-1. クロマチン動作原理解明のための超解像顕微鏡システムの改良。多種顕微鏡法への対応(1分子,PALM/STORM超解像,FRAP,新しい超解像法)を含む操作性の向上を主眼とし、さらなる高解像度化を行う。このため、照明・結像系の高画質化・高速化・操作性向上、顕微鏡制御と録画の操作性向上等を行う。特に重要なのは、統合的なソフト制御および1分子超解像解析との良い連携を図ることであり、この点の更なる改良を随時進める。1-2.多色超解像ナノ解析・定量化法の改良。本年度に開発した1分子軌跡追跡を用いた分子動態の新規定量解析方法の高精度化・高速処理化・操作性向上を主眼に推進し、多色超解像ナノ解析・定量化法の高精度化、多種法の統合・高速処理化を進める。 2.ヌクレオソームの生細胞1分子超解像と動態解析。新しい描像研究をさらに進める。 3.ヒストンバリアントの超解像解析と動態の違い。各種ヒストンバリアントに関し、生細胞における動態解析と、固定細胞の高解像超解像画像解析をさらに進め、化学修飾・RNAポリメラーゼ等との相互作用・転写状態や核内局在による違いを解明する。 4.クロマチンリモデリング複合体の超解像解析と動態。すでに得ているINO80複合体の新しい描像を、構成タンパク質分子であるIno80、アクチン関連タンパク質Arp、アクチンの動態定量解析をさらに進め、分子種による違いを鍵に、ATPの作用機序解明と構成分子の役割解明をさらに推進する。 5.開発済みの脂質二重膜簡易調製法を用いた高精度動態解析。ヌクレオソーム構造変化の超解像動態計測、クロマチン動的構造とシグナル伝達系との関係の解明を推進する。 [連携研究者]東北大学・大学院農学研究科 十川久美子 多色蛍光標識分子導入細胞群の構築と解析、東京工業大学・生命理工学院 伊藤由馬 クロマチン動態1分子超解像観察と解析。
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Research Products
(13 results)