2016 Fiscal Year Annual Research Report
オリゴデンドロサイト前駆細胞と神経回路の機能的相互作用
Project Area | Glial assembly: a new regulatory machinery of brain function and disorders |
Project/Area Number |
25117007
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
竹林 浩秀 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60353439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎戸 靖 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 病理学部, 室長 (90263326)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | オリゴデンドロサイト / オリゴデンドロサイト前駆細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
オリゴデンドロサイトの発生・増殖・分化に関わると考えられる因子を同定し、その遺伝子のfloxアリールを作製した。Creドライバーマウスの導入と掛け合わせに予定よりも時間を要したが、中枢神経系特異的Creドライバーマウスとミエリン形成細胞特異的なCreドライバーマウスを用いて掛け合わせを行い、コンディショナルノックアウトマウス作製を行った。組織学的な解析により、中枢神経系特異的なノックアウトマウスは、胎生致死になること、そして、オリゴデンドロサイト前駆細胞の数が低下することが明らかとなった。また、ミエリン形成細胞特異的なノックアウトマウスは、生後1-2ヶ月齢で死亡することが明らかとなった。現在も継続して表現型解析を行っており、おおむね順調に進展している。上記のfloxマウスを用いることにより、当初目的としていた、生後マウス脳におけるオリゴデンドロサイト系譜細胞の発生・増殖・分化を制御する、という実験系を確立できたと考えられる。 また、運動障害を示すDystonin遺伝子変異マウスの生後脳において、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖が低下する、という新たな表現型を見出した。この表現型が、細胞自律的な影響によるものか、それとも、細胞非自律的な影響によるものなのかについては今後との課題であり、我々が作製したコンディショナルDystoninアリールを用いることにより、検証が可能であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的のオリゴデンドロサイトの分化・増殖に関わる因子を同定し、その遺伝子のfloxマウスを作成して条件付きノックアウトマウスの作製を行った。Creマウスの選定と導入に予定よりも時間を要したが、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により、オリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖および分化に関わると考えられる因子を見出した。さらに、その遺伝子についてfloxアリールをもつ遺伝子改変マウスの作製を行った。中枢神経系特異的なノックアウトマウスとミエリン形成細胞特異的なノックアウトマウスを作成し、その表現型解析を行っている。これらの結果をまとめて論文報告を行う。
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