2015 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症におけるミクログリア制御異常による白質・シナプス伝達障害の機構解明
Project Area | Glial assembly: a new regulatory machinery of brain function and disorders |
Project/Area Number |
25117011
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
神庭 重信 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50195187)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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Keywords | ミクログリア / 統合失調症 / 再生医学 / ウイルス感染症 / 抗精神病薬 / うつ病 / 双極性障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症におけるミクログリアを介した病理的な機構を解明するために、我々の班では、向精神薬を用いた基礎的な研究と、ヒトを対象としたトランスレーショナル研究の二本柱で研究を推進している。 本年度は、齧歯類由来のミクログリアを用いた培養実験によって、ウイルス感染症に類似したミクログリア活性化を呈するモデル細胞を作製し、一部の抗精神病薬が特定のチャネルを介してミクログリア活性化を抑制する可能性を見出しており、現在、その検証を進めている。さらに、ヒト血液から各種誘導因子の導入により2週間でミクログリア様細胞を作製する技術 (iMG細胞技術)を我々の研究室では開発しており、この技術の国際特許出願を行った。現在、この技術を、統合失調症をはじめとする精神疾患のミクログリア仮説解明のための橋渡しツールとして応用し、臨床と基礎とを繋ぐ研究を進めている段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗精神病薬がミクログリア細胞のどのチャネルに働くか従来までの研究では明らかになっていなかったが、我々の今年度の研究により、その機構を明らかにしつつある点。加えて、ヒト血液由来ミクログリア様細胞(iMG細胞)の製作技術を駆使したトランスレーショナルを推進している点。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、齧歯類を用いた基礎研究を、iMG細胞を鍵にしたヒト対象のトランスレーショナル研究をすすめてゆく。
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