2015 Fiscal Year Annual Research Report
| Project Area | Empathic system |
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25118005
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
村山 美穂 京都大学, 野生動物研究センター, 教授 (60293552)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 晃嗣 帝京科学大学, 生命環境学部, 助教 (00723561)
井上 英治 京都大学, 理学研究科, 助教 (70527895)
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| Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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| Keywords | 遺伝子 / 動物 / 行動学 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
１）共感性遺伝子の網羅的解析：秋田県畜産試験場において孵化管理されている比内地鶏の初生雛を使用して、不安の感じやすさの指標として各個体の緊張性不動（Tonic Immoblity）などの行動実験を行い、その後摘出した終脳を用いて、扁桃体および帯状回に相当する組織からRNAを抽出し、扁桃体で遺伝子発現量に大きな差があることを見いだした。また鳥類の候補遺伝子として、ニューレグリン遺伝子に個体差があることを見いだした。
２）共感性の個体差を生み出すゲノム基盤：異種間（ヒトとウマ）の協働作業に与える影響について、サラブレッドの馴致のしやすさとセロトニン受容体遺伝子型の関連を明らかにした。質問紙によって性格を評定し、ボノボとチンパンジーの種間差について考察した。同じく質問紙によってネコの性格を評定し、「荒っぽさ」がオキシトシン受容体遺伝子型と関連することを見いだした。さらにオキシトシン受容体遺伝子型がヒトの信頼性に影響することを見いだした。
３）共感性の進化を支える遺伝的基盤：ヒトの共感性の進化基盤を考察するために、大型類人猿であるゴリラの分配行動に与える血縁の影響を詳細に分析し、食物分配は血縁者間に偏っていないことを明らかにした。また、ニホンザルの毛づくろい量に与える血縁の影響を調べたところ、遺伝的類似度は毛づくろい量に影響を与えることがわかったが、その影響を統制しても、オキシトシン受容体遺伝子が毛づくろい量に有意に影響を与えていることを明らかにした。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ネコ、ウマ、ニホンザルなどで候補遺伝子と共感行動の指標との関連が見いだされるなど、画期的な成果が得られた。
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| Strategy for Future Research Activity |
１）共感性遺伝子の網羅的解析：秋田県畜産試験場において孵化管理されている比内地鶏の初生雛を使用して、集団の情動伝染スコアを測定する。各個体の終脳からRNAを抽出し、次世代シーケンサーを使用したRNAシークエンスにより転写量を算出し、情動伝染スコアの異なる２群間で有意に発現量の異なる遺伝子を探索する作業を行う。
２）共感性の個体差を生み出すゲノム基盤：イヌおよびネコの共感性レベルの行動学的評価システムを整備する。イヌの共感性レベルの品種差について、ヒトに対する注視行動を、オオカミと遺伝的に近い原始的犬種と欧米で作出された純粋犬種の間で比較する。ネコの同種内および異種間（ヒトとネコ）の共感性について、ノラネコの個体群の調査を行う。また、チンパンジーおよびイルカの性格を質問紙によって評定する。
イヌ、ネコ、ウマ、ニホンザル、マーモセットで、候補遺伝子のオキシトシン受容体、バソプレシン受容体の周辺に、多数のマイクロサテライトやSNP多型を探索する。候補遺伝子と評定値との関連を解析する。
３）共感性の進化を支える遺伝的基盤：ヒトの共感性の進化基盤を考察するために、大型類人猿の集団の血縁構造を解析し、社会の比較分析を行う。ネコ科の種間で候補遺伝子の配列を比較する。
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Research Products
(54 results)
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[Journal Article] The oxytocin receptor gene (OXTR) polymorphism in cats (Felis catus) is associated with "Roughness" assessed by owners. Journal of Veterinary Behavior2016
Author(s)
Arahori, M., Hori, Y., Saito, A., Chijiiwa, H., Takagi, S., Ito, Y., Watanabe, A., Inoue-Murayama, M., Fujita, K
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Journal Title
Clinical Applications and Research
Volume: 11
Pages: 109-112
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Personality in Bonobos.2015
Author(s)
Weiss A, Staes N, Pereboom JJM, Inoue-Murayama M, Stevens JMG, Eens M
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Journal Title
Psychological Science
Volume: 26
Pages: 1430‐1439
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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