2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Comparative Studies of Ancient American Civilizations |
Project/Area Number |
26101003
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
青山 和夫 茨城大学, 人文学部, 教授 (70292464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 弘識 埼玉大学, 教育機構, 非常勤講師 (10725956)
長谷川 悦夫 埼玉大学, 教育機構, 非常勤講師 (20571714)
市川 彰 名古屋大学, 高等研究院, 特任助教 (90721564)
嘉幡 茂 京都外国語大学, 京都ラテンアメリカ研究所, 客員研究員 (60585066)
塚本 憲一郎 青山学院大学, 文学部, 特別研究員 (20755368)
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Project Period (FY) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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Keywords | 比較文明論 / マヤ文明 / テオティワカン文明 / メソアメリカ南東部 / 中央アメリカ南部 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中米の諸文明と文化の考古学調査の成果を比較研究し、メソアメリカ文明の盛衰に関する通時的データを提供・分析する。 青山は、A01班と協力してセイバル遺跡周辺の航空レーザー測量データを分析した。マヤ文明のセイバル遺跡から出土した石器の属性分析を行い、高倍率の金属顕微鏡を用いて石器の使用痕を分析した。ハンドヘルド蛍光X線分析計で、5,375点の黒曜石製石器の産地を同定した。遺跡から出土した炭素試料のAMS年代を測定した。 長谷川は、ニカラグア共和国パス・イ・レコンシリアシオン遺跡のマウンドで、トレンチ発掘を行い、石造建築を確認した。また、2014年に実施したチラマティーヨ遺跡出土の土器片の分類を行った。福原は、メキシコのトラランカレカ遺跡のD地区でのトレンチ発掘調査、ミューオン・グラフィー調査、測量調査を行った。D地区の発掘では複数時期にまたがる床面と建造物を発見し、土器編年の精緻化のための良好な資料を獲得した。 市川は、エルサルバドル共和国サン・アンドレス遺跡のB号建造物と5号建造物の発掘調査および遺物分析をおこなった。複数の指標火山灰をもとに土器編年を精査した。5号建造物の発掘では保存状態の良好な土製建造物と時期の異なる切石製建造物を発見し、同遺跡の衰退過程に関する情報を獲得した。 嘉幡は、メキシコ、トラランカレカ遺跡で発掘調査と測量調査を行った。古代国家の形成を実証的に検証するために、「セロ・グランデ・ピラミッド」と「巨石環状広場」で上記の調査を実施し、物質文化の研究を基に当時の世界観の復元に努めた。塚本は、メキシコにあるエル・パルマール遺跡の北周縁部にて、二基の建造物の広場に面した部分を全面発掘した。その過程でゴミ場や埋葬を発見し、編年を精査するための炭素資料や土器片を回収できた。また前年度に発見した石碑に刻まれた碑文の三次元実測および写真撮影を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺跡の発掘調査や出土遺物の分析を、当初の計画通りに順調に推進することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き遺跡の発掘調査や出土遺物の分析を行い、研究成果をまとめて国内外の学会で口頭発表し、論文や本として刊行していく。平成28年度にA04班と協力して海外の研究者を招聘し、日本で初めてのメソアメリカ研究者国際会議を開催する。その成果をスペイン語で、メキシコ国立自治大学から研究書として刊行する。
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Research Products
(55 results)