2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Comparative Studies of Ancient American Civilizations |
Project/Area Number |
26101005
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
鈴木 紀 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 准教授 (40282438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
禪野 美帆 関西学院大学, 商学部, 准教授 (20365480)
井上 幸孝 専修大学, 文学部, 准教授 (20399075)
本谷 裕子 慶應義塾大学, 法学部, 准教授 (30407134)
藤掛 洋子 横浜国立大学, その他の研究科, 教授 (70385128)
工藤 由美 亀田医療大学, 看護学部, 講師 (80634972)
杓谷 茂樹 中部大学, 国際関係学部, 教授 (90410654)
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Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2019-03-31
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Keywords | 文化人類学 / 歴史学 / ラテンアメリカ / 先住民族 / 資源化 |
Outline of Annual Research Achievements |
10月に国立民族学博物館で研究会を開催し、分担者の研究計画と進捗状況を確認した。各分担者の調査概要は次の通り。鈴木は、メキシコ国立人類学博物館、マヤ世界大博物館、グアテマラ国立考古学民族学博物館、イシュチェル先住民族衣裳博物館等にて展示内容を調査し、先スペイン時代の文明と現在の先住民族文化の関連性がいかに表象されているかを分析した。 井上、杓谷、禪野、小林(研究協力者)はメキシコで調査を行った。井上は、クロニカ(年代記)およびクロニカ研究資料を収集し、その読解・分析に着手した。またメキシコ市の先スペイン期関係の史跡を訪問して、その現状把握に努めた。杓谷は、ユカタン州のチチェン・イツァ遺跡公園で地元露店商の不法侵入問題の現状を観察し、行政担当者へのインタビューを実施した。禪野は、メキシコ市および近郊の「旧先住民村落」に関する文献研究と並行して、メキシコ市南西部で、復元されたピラミッドの管理、利用方法を調査した。小林は、観光開発・経済推進事業に関連した文献調査、および現地での予備調査を実施し、「神秘的集落」の認定を受けた3箇所(プエブラ州チョルーラ等)を次年度以降の調査地として選定した。 本谷は、米国東海岸の博物館(ペンシルヴァニア大学と国立アメリカ先住民博物館)にて、19世紀末から20世紀初頭にかけてのグアテマラ・マヤ先住民族女性の衣裳の変遷を観察・記録し、既存の研究データと比較した。 工藤は、チリの先住民族マプーチェに関する文献資料を基に研究を進めた。国内の図書館収蔵文献と、チリ国立図書館収蔵の文献を中心に整理し、次年度に現地での調査を行うためのリスト等を作成した。 藤掛は、パラグアイにて、現地の文化人類学者、言語学者、メディア関係者への聞き取り調査ならびに農村部における調査を実施し、グアラニー文化に対し「憎しみと愛」が混在することが明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始に際して研究会を開催し、本研究のねらいと、各研究者の役割分担を確認した。1人を除き、全研究者は海外調査を予定どおり実施した。残りの1人も国内で文献調査を行い、次年度の海外調査の準備を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
全体としてラテンアメリカの過去がいかに資源化されているかという視点を共有しつつ、研究分担者は各自の研究を実行していく。また同じ新学術領域研究の他の研究計画の研究者との意見交換を促進するため、共同で学会セッション等の開催を企画している。
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