2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | pi-System Figuration: Control of Electron and Structural Dynamism for Innovative Functions |
Project/Area Number |
26102004
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 健 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (40359683)
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Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2019-03-31
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Keywords | 有機合成化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究では、以下に示す成果が得られた。 (1)カチオン性金(I)および銀(I)触媒を複合的に用いることにより、アルキンのエナンチオ選択的分子内二重ヒドロアリール化反応が室温で進行し、[6]アザヘリセンが中程度の光学純度で得られた。また、アルキンのエナンチオ選択的分子内四重ヒドロアリール化反応も室温で進行し、光学的に純粋なS字型[10]アザヘリセンが得られた。興味深いことに、[6]アザヘリセンは検出限界以下のCPL発光特性しか示さないのに対し、S字型[10]アザヘリセン単分子としては高いCPL発光特性を示すことがわかった。 (2)カチオン性ロジウム(I)触媒存在下、ヘキサインのエナンチオ選択的分子内[2+2+2]付加環化反応が進行し、[9]および[11]ヘリセン類縁体が高い光学純度で得られた。また、X線結晶構造解析により構造を明らかにした。 (3)カチオン性ロジウム(I)触媒存在下、ビアリール架橋テトラインとケイ素架橋ビスプロパルギルアルコールのエナンチオ選択的分子間[2+2+2]付加環化反応が室温で進行し、トリフェニレン骨格を有するシラ[7]ヘリセンが高い光学純度で得られた。また、X線結晶構造解析により構造を明らかにした。さらに、CPL発光特性調べたところ、単分子としては高いCPL発光特性を示すことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究では、カチオン性金(I)および銀(I)触媒を用いたアルキンのエナンチオ選択的分子内ヒドロアリール化反応によるアザヘリセンの不斉合成、カチオン性ロジウム(I)触媒を用いたヘキサインのエナンチオ選択的分子内[2+2+2]付加環化反応による[9]および[11]ヘリセン類縁体の不斉合成、およびカチオン性ロジウム(I)触媒を用いたアルキンのエナンチオ選択的分子間[2+2+2]付加環化反応によるシラ[7]ヘリセンの不斉合成に成功しており、研究計画は当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も申請者が開発した触媒的不斉芳香環構築反応を駆使し、ヘリセンに代表される、らせん不斉をもつ様々な高歪み芳香族化合物の触媒的不斉合成に取り組んでいく予定である。
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