2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Revealing the history of the universe with underground particle and nuclear research |
Project/Area Number |
26104009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳田 勉 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任教授 (10125677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 重貴 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任准教授 (00451625)
濱口 幸一 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80431899)
末松 大二郎 金沢大学, 数物科学系, 教授 (90206384)
中山 和則 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90596652)
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Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2019-03-31
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Keywords | 宇宙のバリオン数非対称性 / Leptogenesis機構 / 拡張輻射ニュートリノ質量模型 / 暗黒物質 / 非対称暗黒物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
柳田は、宇宙のバリオン数非対称性を説明するLeptogenesis機構と深い関係にあるインフレーション宇宙模型の構成を行った。また、Axion-likeな場を使う新しいタイプのleptogenesis機構を発見した。 末松は、プランクスケールより小さな値を持つインフラトン場で大きなテンソル・スカラー比をもたらすインフレーションシナリオを拡張輻射ニュートリノ質量模型において提案した。 松本はニュートリノ物理と深く関係する非対称暗黒物質について研究を行い、模型の詳細に依らず、現在の宇宙でこの暗黒物質が保持するB-L電荷が(宇宙のバリオン数が正となる表記で)必ず正となる事を証明した。これは非対称性暗黒物質の間接検出で必ず反ニュートリノを伴う事を意味する。 中山はアクシオン模型と高スケールインフレーション模型の整合性を調べ、Peccei-Quinn対称性がインフレーション後に回復すること、および一般にその後のPeccei-Quinn対称性の破れにおいてアクシオン暗黒輻射が過剰生成される問題があることを示した。さらに、有限温度プラズマ中での散逸により、アクシオン暗黒輻射の過剰生成問題が回避される場合があることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本理論研究計画では、(1) 小さいニュートリノ質量、(2) 宇宙のバリオン数非対称性、(3) 宇宙の暗黒物質の3つの現象を素粒子の標準理論を超える理論の重要なヒントであると考える。 現在まで、研究代表者、研究分担者、みな順調に研究を進めており、査読付論文を数多く発表し、国内外の研究会で成果発表を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き代表者・分担者・連携者が有機的な共同研究のネットワークを構築し、効率よく研究を遂行する。また各素粒子模型・宇宙シナリオに基づいてA班のマヨラナ性検証実験やB班の暗黒物質探索実験に対する予言を行う。
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Research Products
(33 results)