2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | 3D Active-Site Science |
Project/Area Number |
26105003
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
野村 琴広 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (20304165)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 昭子(稲垣昭子) 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (00345357)
満留 敬人 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (00437360)
平野 雅文 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70251585)
本倉 健 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 講師 (90444067)
|
Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2019-03-31
|
Keywords | 触媒・化学プロセス / 合成化学 / 有機金属化学 / 分子触媒化学 / 触媒設計学 / 協奏機能表面 / 環境調和型合成手法 / 効率炭素-炭素結合形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本計画班は、正確かつ多角的な3D活性サイトイメージングに立脚した触媒設計という次世代型触媒開発における新機軸を打ち出し、その理論体系を基盤とした革新的触媒の創製を指向している。特に、(i)反応性の異なる各種有機金属錯体の合成・単離法の確立や関連の反応化学や(ii)特異な触媒作用が発現する多くの界面活性サイトを有する新規ナノ粒子触媒や協奏機能触媒表面の開発と活性発現因子に関する知見に加えて、本新学術の連携による多面的な解析結果を基に、従来にはない革新的触媒の創製を指向している。平成26年度の成果概要は以下の通りである。 有機金属錯体の素反応における活性中間体の構造と電子状態に関する情報の取得を目的に、(測定班での)XPSによる放射光施設での条件設定・予備検討向けのモデル錯体・単結晶(モリブデンやバナジウム錯体)を合成した。関連の有機バナジウム錯体(アルキル、アルキリデン錯体)の合成と反応化学、酸化的カップリング機構による鎖状交差二量化の触媒となる配位不飽和な12電子ゼロ価ルテニウム錯体の合成と反応化学などに有用な基礎的成果を得ている。 金属-担体の界面の電子状態の解析を目的に、光電子分光により界面金属原子を測定(金属側からの情報)、及び軟X線により界面の酸素の発光測定(担体側からの情報)を計画している。測定用に向けて、ハイドロタルサイトと同等の触媒活性を示す、(入手可能な)Al2O3やMgAl2O4単結晶上に金ナノ粒子を担持した触媒を調製した。 固体表面で協同触媒作用を発現する二つの活性点間の(構造や電子状態に関する)情報を得ることを目的に、SiO2(0001)基板(単結晶表面)にモデル触媒構造を構築し、サンプル調製を検討し、XPS測定で有機分子の導入を確認した。今後反射率法測定、CTR測定、AFM測定等により、金属錯体と基板との距離を求めることを計画している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者及び分担者は、目的に向けた試料の合成に所定の目途を得ており、測定班との連携が始められる状況にある。また、関連化学に非常に多くの知見を得ており、その成果は学術論文や学会発表・講演を通じて高い評価を得ている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の成果を基盤に課題を発展させるつもりである。 既に平成27年度の測定に向けてのサンプル調製を進めている段階で、分子触媒グループでは測定班と連携して、放射光施設での実験に向けて、XPSによる予備検討(照射ダメージや安定性・サンプリング手法など)に取り組む予定である。また、担持ナノ粒子や協奏機能表面触媒では、モデル触媒の調製手法に目途を得ており、平成27年度より一部測定が開始できる可能性が高い。
|
Research Products
(28 results)