2014 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光X線・中性子線ホログラフィーによるドープ原子3Dイメージング
Project Area | 3D Active-Site Science |
Project/Area Number |
26105006
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 好一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20283632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 伸也 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (30183601)
大山 研司 茨城大学, 理工学研究科, 教授 (60241569)
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Project Period (FY) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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Keywords | 蛍光X線ホログラフィー / 中性子線ホログラフィー / 局所構造 / 3D原子イメージング / 強磁性半導体 / ヘモグロビン |
Outline of Annual Research Achievements |
社会の継続的発展に必要なリチウム燃料電池、水素貯蔵物質などの環境材料、生体の機能発現などの対し重要な役割を果たす軽元素を中心とした活性サイトを可視化する必要がある。このような課題を達成するため、新しい蛍光X線ホログラフィー及び中性子線ホログラフィー装置の開発を行った。まず、新型蛍光X線ホログラフィー装置については、φ軸の回転ステージの走査スピードを三倍にし、ディスクリミネーターやスケーラーの信号処理は高速のものを選定した。特にφ軸の回転ステージについては、モーターによる発熱を水冷機構により抑えることにした。これらの工夫により、従来、最短測定時間が3時間程度であったもの1時間へと短縮された。さらに、試料まわりには小型の自動xyzステージを組み込んであり、試料位置を微調整することが可能である。このため従来不可能だった100μm程度の微小試料の測定できるように調整を続けている。本装置を用いて、インバー合金、熱電材料、触媒材料などの測定を行った。 一方、中性子線ホログラフィー装置も一新した。試料の特定元素から放出される即発γ線を、TOF技術を使って1スキャンで多波長ホログラムを計測できるシステムである。従来は、蛍光X線ホログラフィーを転用して使用していたが、放射化のために持ち出せなくなることもあり不便であった。このような問題点は今後解消されることになる。平成26、27年度においては、ボロンドープシリコンの測定を行う予定であったが、J-PARCの事故やトラブルが影響しビームタイムが十分に使用できなかったため、次年度に持ち越しとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた実験は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
装置の立ち上げを引き続き行うが、特に軟蛍光X線用の分光システムの開発を行い、実際にCaやKなどの軽元素の蛍光X線の検出を行う。特に、軟蛍光X線ホログラフィーのデモンストレーション試料として、CaC6単結晶の測定を行いつつ装置の高度化に繋げていく。また、ヘモグロビンなどの生体試料の蛍光X線ホログラフィーの研究も本プロジェクトの大きな課題であるが、ここではラディエーションダメージが大きな問題となる。液体窒素吹付け装置などによって冷却を試み、1日程度は試料が破壊されないような条件・技術の確立を目指す。中性子線ホログラフィーについては、平成26、27年度に行えなかったボロンドープシリコンの測定を行う。
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Research Products
(8 results)