2017 Fiscal Year Annual Research Report
3D imaging of dopants by X-ray fluorescence and neutron holography
Project Area | 3D Active-Site Science |
Project/Area Number |
26105006
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 好一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20283632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 伸也 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (30183601)
大山 研司 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (60241569)
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Project Period (FY) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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Keywords | 蛍光X線ホログラフィー / 中性子ホログラフィー / 局所構造 / 3D原子イメージング / 強磁性半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下に示す(i),(ii)の2つのトピックについて成果を上げた。(i)はLPSO構造材料であるMg75Zn10Y15の蛍光X線ホログラフィーの研究についてである。再生されたZn周辺の原子像からは、クラスター内の原子像は明瞭に得られたが、隣接クラスターからの原子像がほとんど得られなかった。これよりクラスター間の揺らぎが大きいことが考えられ、並進的な揺らぎの要素を取り入れたシミュレーションを行い比較した。この結果、クラスターはその形状を保ったまま、0.33Å程度の並進的な揺らぎを持つことが示された。このようなクラスター間のずれは、LPSO Mg合金の優れた力学物性に影響している可能性がある。 (ii)は、蛍光X線ホログラフィーのソフトマテリアルへの展開の一つとして、2次元構造を持った有機電荷移動錯体κ-(BEDT-TTF)2Cu[N(CN)2]Br(以下、κ-Brと記す)を試料として用いた。この物質は強相関電子系として幅広く研究されてきた物質であり、X線損傷による分子欠陥の影響で電気的性質が変化することが知られている。先行研究の分子振動スペクトルの測定及び第一原理計算の結果より、アニオン層のCu周辺に存在するCN結合が崩壊していることが示唆されている。κ-Br(欠陥導入前、欠陥導入後)の試料を用意し、蛍光X線ホログラフィーの測定を行いCu周りの局所構造解析を行うことで、分子欠陥導入後のCN結合の変化を直接的に観測した。2つの試料の原子像から、欠陥導入前後ではN原子像強度が85%減少していることが認められた。これは予想されていた通り分子欠陥はCN結合を崩壊させ、その結果Cu周りのN原子の位置にばらつきが出たため原子像の強度が低下したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新学術領域内のみならず領域間の連携研究も成果があり,予定通り順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に向けた目標の一つとして、「3D活性サイト科学」における種々のイメージング手法を複合的に活用した多面測定がある。ここでは、トポロジカル絶縁体であるAg:Bi2Se3を共通試料として選定している。本試料は光電子ホログラフィーで既に計測が行われており、置換サイトや格子間サイトの両者に添加されていることが示唆されていた。従って、蛍光X線ホログラフィーの適用による解析が待たれている。他にも電子顕微鏡を用いたイメージングも駆使し、ドーパントであるAgの局所構造の詳細を解明する。また、マグネタイトを対象試料として、蛍光X線ホログラフィーのノーマルモードにおける価数選択ホログラフィー技術を確立してきた。次なるステップとして、PSII中のMn4CaO5クラスターのMn3+とMn4+の3Dイメージングに挑戦する。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Pressure-induced superconductivity in AgxBi2?xSe32018
Author(s)
He Tong、Yang Xiaofan、Terao Takahiro、Uchiyama Takaki、Ueno Teppei、Kobayashi Kaya、Akimitsu Jun、Miyazaki Takafumi、Nishioka Takumi、Kimura Koji、Hayashi Kouichi、Happo Naohisa、Yamaoka Hitoshi、Ishii Hirofumi、Liao Yen-Fa、Ota Hiromi、Goto Hidenori、Kubozono Yoshihiro
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Journal Title
Physical Review B
Volume: 97
Pages: 104503_1~8
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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