2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | 3D Active-Site Science |
Project/Area Number |
26105011
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 伸彦 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (10311341)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 将 琉球大学, 理学部, 准教授 (10403007)
田村 宏之 東北大学, 学内共同利用施設等, 助教 (60390655)
|
Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2019-03-31
|
Keywords | 有機半導体 / 活性サイト / 理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機半導体の機能解析およびその制御には、不規則性に由来する活性サイトの解明と制御が重要になっている。そのため、精密な原子構造・電子構造解析による活性サイト研究の下、電気的、光学的機能設計のための理論的体系を構築することを目的に研究を行っている。初年度は、研究環境を整えるとともに、以下の研究を行った。 【課題1】第一原理電子状態計算による有機半導体の電子・結晶構造と活性サイトの理論。亜鉛フタロシアニン結晶を対象に構造最適化を行い、その構造下での電子状態の形成要因を検討した。ファンデルワールス密度汎関数法rev-vdW-DF2により安定な多形の構造最適化を行った。最局在ワニエ関数を用い、分子軌道間の相互作用を調べた。有機半導体の活性サイトを正しく理解するためには精密な結晶構造と電子状態の決定が不可欠であることを示した。 【課題2】有機半導体のキャリア伝導と活性サイトの理論。ホッピング伝導機構からバンド伝導機構までを一括して扱える計算理論として開発してきた時間依存波束拡散法を発展させた。密度汎関数法の有効ハミルトニアンから局在基底を用いた行列表現を用いてキャリア輸送機構に対する活性サイトの詳細を解析可能にする理論的方法論の発展を行った。 【課題3】有機半導体のフォノン場、フォトン場との相互作用と活性サイトの理論。有機太陽電池の変換効率に関わる有機結晶中の励起子動力学を理論的に検討し、ドナー-アクセプター界面の電荷分離のモデリングを進めるとともに、有機試料班と共同で有機薄膜太陽電池のドナー-アクセプター界面の活性サイトの理論解析を始めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Wannier関数を用いた伝導理論の開発によって有機半導体のキャリア機構の解析方法の発展が計画以上に進展した。また、【課題3】有機半導体のフォノン場、フォトン場との相互作用と活性サイトの理論は、3年目以降に開始する予定であったが、初年度から研究を前倒しし、当初の計画以上に進展した。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に加え、Wannier関数を用いた伝導理論の応用、前倒し実施した【課題3】有機半導体のフォノン場、フォトン場との相互作用と活性サイトの理論の研究を進め、有機半導体の「3D活性サイト」制御による新規材料開発のための理論的設計指針作成を行う。
|
Research Products
(20 results)
-
-
-
-
-
[Journal Article] Scanning tunneling microscopy/spectroscopy of picene thin films formed on Ag(111)2014
Author(s)
Y. Yoshida, H.-H. Yang, H.-S. Huang, S.-Y. Guan, S. Yanagisawa, T. Yokosuka, M.-T. Lin, W.-B. Su, C.-S. Chang, G. Hoffmann, Y. Hasegawa
-
Journal Title
J. Chem. Phys.
Volume: 141
Pages: 114701(1-8)
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-