2014 Fiscal Year Annual Research Report
界面分子協調システムによる高次光子利用反応系の構築
Project Area | Application of Cooperative-Excitation into Innovative Molecular Systems with High-Order Photo-functions |
Project/Area Number |
26107006
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河合 壯 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (40221197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 英之 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00222167)
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Project Period (FY) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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Keywords | フォトクロミック分子 / 高次複合光応答分子 / 異性化 / 反応量子収率 / 光子定量反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
分子の光励起とその緩和過程を基盤とした新しい光子の有効利用によるエネルギーの高効率利用や環境技術の基盤となる光化学反応系の学理の構築に取り組んでいる。特に反応量子収率が10000%を超える超高効率反応系の構築を目標に掲げ、分子の集積構造や、金属や半導体などのナノ粒子の界面に形成される集積フォトクロミック反応系における電子移動などを利用する新しい反応系の構築に取り組んできた。特に平成26年度はCdSeナノ半導体ナノ結晶表面へのフォトクロミック分子の集積とともに、フォトクロミック分子自体の高性能化に取り組んできた。新たにほぼ100%の反応量子収率を示す光子定量反応系の構築に成功したほか、高効率フォトクロミック反応を産業応用に展開する視点から光酸発生剤としての機能付与に成功した。新たに電子移動を起源とする光異性化反応材料の合成に成功した。さらに固体界面におけるフォトクロミック分子の反応を利用した新しい光物質移動系の構築に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従って順調に成果を得ている。すでにCdSeなどの無機半導体ナノ結晶の合成や電子移動消光の確認、フォトクロミック分子とナノ結晶との相互作用の確認などの基盤的な知見に加えて新しい高効率電子移動型異性化分子の合成に成功している。これらの成果については論文発表および論文投稿に至っている。なお、一部の装置の故障などにより平成27年度に経費の繰り越しを行ったが、研究の進捗に大きな影響は与えていないと評価される。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に一部の研究を繰り越して進めることとなったが、おおむね順調に研究は進展している。平成27年度には新しい光酸発生剤に関する研究を継続して進めるほか、当初予定通り高効率光反応系の構築に向けた研究を推進する。
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Research Products
(4 results)