2017 Fiscal Year Annual Research Report
Photoswitching Materials Comprising Designed Ionic Species
Project Area | Application of Cooperative-Excitation into Innovative Molecular Systems with High-Order Photo-functions |
Project/Area Number |
26107007
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
前田 大光 立命館大学, 生命科学部, 教授 (80388115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山門 陵平 山形大学, 有機材料システム研究科, 助教 (90735549)
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Project Period (FY) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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Keywords | π電子系 / イオン会合 / 分子集合化 / 光応答性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、合成化学を基礎とし、π電子系イオンからなる次元制御型集合体(総説としてBCSJ 2018, 複数報の論文を投稿準備中)を設計・創製し、光応答性ユニットの導入による集合体形態および電子物性の光駆動型制御に挑戦した。本年度は、光応答性を付与したπ電子系アニオンを合成し、光応答による可逆的な結晶-結晶転移挙動を見出した(Chem. Eur. J. 2017)。光応答性π電子系のアニオン部位を適切なアニオン応答性π電子系で会合することにより形状や電子状態を変調し、集合体における光応答性が抑制されることを明らかにした(Chem. Lett. 2018)。光応答性イオンペア集合体に組み込まれうる構成ユニットを精査し、π電子系に導入した酸ユニットの脱プロトン化によるπ電子系アニオンの形成を試み、十分な安定性が必要であることを明らかにした(Dalton Trans. 2017, J. Org. Chem. 2017)。また、酸ユニットの脱プロトン化によるアニオン部位を水素結合によって安定化したπ電子系のπ共役系拡張に成功し、イオンペア集合体からなる液晶中間相を形成した(Chem. Eur. J. 2018)。さらに、イオン会合能を有するπ電子系を合成し、そのイオン会合挙動および次元制御型集合体への展開を行い、水素結合部位の導入による高い会合能の発現およびイオンペア集合体の形成(Chem. Eur. J. 2017)を報告した。一方、水素結合を駆動力とした分子集合化を基軸とした液晶中間相の創製も行った(Chem. Lett. 2018)。π電子系分子の結晶多形に関わる形成過程(Chem. Eur. J. 2018)や導電性(Org. Electron. 2017)に関する詳細な検証を共同研究で実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光応答性を付与した構成ユニット(アニオン部位を有するπ電子系)を組み込んだイオンペア集合体の形成に成功し、実際に光駆動による結晶-結晶転移挙動を明らかにした。さらに、アニオン部位をπ電子系で会合することにより、光応答性が抑制されることも見出した。今後、集合化形態・機能性の評価を行う目処を付けることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も継続して光応答性を発現するπ電子系イオンの形成およびその集合体の形成を実施し、集合化形態・電子物性に対する光応答性の検証を行う。
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