2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Multidisciplinary computational anatomy and its application to highly intelligent diagnosis and therapy |
Project/Area Number |
26108002
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
清水 昭伸 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80262880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
縄野 繁 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (40156005)
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Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2019-03-31
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Keywords | 計測工学 / 統計数理 / 医用画像処理 / 解剖学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下のことを実施した. 1.計算解剖モデル(統計的形状モデル):MR像と組織像の画像データベースを構築した.また,両画像の位置あわせを行ない,次年度以降のマルチスケールモデルの構築に備えた.次に,死亡後に一定の時間間隔で撮影したCT像のデータベースを構築し,これらに対して体積などの形状特徴を解析した.これは,次年度以降の時間軸方向へのモデルの拡張に利用する.さらに,モデル自身の高度化に関する研究として,緩和条件付き計算解剖モデルを複数臓器用に拡張し,複数臓器の同時認識に利用した.実画像を用いた実験から,適切に条件を緩和することで性能が向上することを示した. 2.セグメンテーション:計算解剖モデルとセグメンテーションアルゴリズムを融合させたアルゴリズムを提案した.このアルゴリズムは,10の9乗個程度の3次元形状の中から最適な形状を選択してセグメンテーションを実行できる点が新しい.これを実際のCT像からの膵臓のセグメンテーションに応用して性能を評価し,世界最高の精度で抽出できることを確認した.また,グラフカットのエネルギー関数の最適設計にも取り組み,真の輪郭の位置における最小化の必要条件に注目した設計法を提案した. 3.計算機支援診断システム:死亡時CT像からの死因の診断支援として,骨折の検出支援システムを高度化した.従来,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いたシステムを開発したが,正常骨に関するモデルを制限付きボルツマンマシンを用いて構築し,それをCNNの入力とする方法を提案し,従来よりも性能が向上することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べた通り,計算解剖モデル,セグメンテーションアルゴリズム,および診断支援システムに関する研究は,いずれもおおむね予定通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も計画通りに研究を進める.具体的には,まず,モデルに関しては,時間軸と空間軸方向への拡張のための数理モデルを考案し,それに基づいて拡張を進める.続いてセグメンテーションについては,計算解剖モデルとセグメンテーションアルゴリズムの融合,および,エネルギー関数の最適設計をさらに進める.診断支援システムについては,死因の診断支援や死後経過時間の推定処理の開発を進める.その他,胎児を対象とした先天性異常の診断支援などについても検討を開始する.
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